徳島市は17日、2017年度当初予算案を発表した。一般会計の総額は過去最大の968億9000万円で、骨格編成だった16年度当初比3・0%増、政策的事業を肉付けした9月補正後と比べ1・1%増となった。新規事業として音楽・芸術ホールの整備に865万円、広域ごみ処理施設の整備に2889万円を計上。昨年4月に就任した遠藤彰良市長が前市政から大きく転換した施策を推進する方針だ。

 ホール建設を中核に位置付けていた新町西地区再開発事業の白紙撤回を、遠藤市長が打ち出したのに伴い、新たなホールの整備に着手する。23年度の開館を目指し、初年度は建設地を決め、基本構想をまとめる。

 市が建設候補地として挙げている▽徳島駅西側のクレメント平面駐車場を中心とした土地(寺島本町西1)▽閉館した市文化センターの敷地(徳島町城内)▽市立動物園跡地(中徳島町2)-の3案について土地の形状などを調べる。建設地の選定は第三者による検討会議が行い、建設地が決まった後に、大・小ホールやリハーサル室など主要機能を盛り込んだ基本構想を策定する。

 徳島市の単独整備から周辺5市町との広域整備にかじを切ったごみ処理施設については、建設候補地となっている飯谷地区や周辺の地区で引き続き住民説明会を開く。住民の合意が得られれば、施設の規模やごみの処理方法などをまとめた施設整備基本計画の策定に着手する。

 一方、新町西地区再開発事業に代わる二つのまちづくり試案については予算を付けなかった。遠藤市長は会見で「裁判中であり、地元住民と話ができる状態ではない」などと説明した。

 このほかの事業では、対象を中学校修了まで拡大した子ども医療費の助成事業に9億4325万円を充てた。県やJR四国と共に進める鉄道高架事業では徳島駅周辺のまちづくり計画を見直す費用などとして2298万円を盛り込んだ。

 特別、企業会計(13会計)の予算総額は、3・2%(28億3136万円)増の924億1661万円。

 市は3月6日開会の市議会3月定例会に当初予算案を提出する。