大阪城周辺の案内板に付けられた「QR Translator」のQRコード=大阪市中央区

 藍住町出身で、外国語ウェブサイト制作会社などを経営する高岡謙二さん(52)=大阪市在住=が、案内板や印刷物にQRコードを付けて多言語表記に対応できるようにする事業に取り組み、全国に利用を伸ばしている。QRコードをスマートフォンで読み取ると、スマホの設定言語で翻訳して画面に表示する仕組みで、手軽さが受けているという。2020年の東京五輪・パラリンピックを見据え、視覚障害者向けの技術の開発も進めている。

 13年に仕組みを開発し「QR Translator」の名で商標登録した。日本と米国、中国、韓国、ロシア、香港で特許を取得している。39カ国語を用意し、一つのコードで最大15カ国語に対応できる。

 京都、奈良、大阪各府県の観光施設を中心に、付けられたコード数(5月末時点)は14年の480個から19年は6489個と約14倍に増加。都庁の展望台やパリのサクレ・クール寺院、大手飲料メーカーのコカ・コーラの自動販売機、日本酒のラベルなどにも使われている。徳島県内の施設での利用はない。

 訪日外国人旅行者の増加を背景に、スマホで翻訳できる便利さのほか、複数の言語を表記するスペースを取らなくて済むなどのメリットから順調に伸びているという。

 高岡さんは、2000年に外国語ウェブサイト制作などを手掛ける「エクスポート・ジャパン」(大阪市)を設立。さらに、観光施設の案内板や商品パッケージの説明書きが読めない外国人の不便さに目を付け、11年に設立した関係会社「PIJIN」(東京)で多言語化対応を支援する事業を始めた。

 また、「視覚障害者は使えないか」との問い合わせを受け、エクスポート・ジャパンで2年前に視覚障害者向け技術の開発に向けた調査に着手。表面の凹凸を頼りに手触りでコードの位置を把握できるようにし、スマホの読み上げ機能を使えば実用化できることが分かった。コードをパッケージに付けた商品の開発を大手メーカーと共に進めており、来春の発売予定だ。

 高岡さんは「視覚障害者の中で点字を読めるのは10%と言われている。意義は大きく、規格化するなどして普及させたい」と話している。