消費者庁の徳島への全面移転について「何も決まっていない」と話す片山地方創生担当相=鳴門市のJA大津松茂

消費者庁の徳島への全面移転について「何も決まっていない」と話す片山地方創生担当相=鳴門市のJA大津松茂

 宮腰光寛消費者担当相は9日、閣議後の記者会見で、消費者庁の徳島県への全面移転を政府が見送るとすることの事実関係を問われ、「徳島の消費者行政新未来創造オフィスについて報道が出ていることは承知しているが、今後の在り方について現時点で具体的な姿が決まったということはない」と話した。

 政府が閣議決定した「まち・ひと・しごと創生基本方針」には、オフィスの成果を受けて、2020年度に新たな恒常的拠点を徳島県に発足させる方針が盛り込まれた。

 宮腰氏は「基本方針なども踏まえ、現在も継続して検討を行っている。8月末までには徳島における新たな拠点の具体的な姿を示せるよう、引き続き検討を進めていきたい」と従来の見解を繰り返した。

 また、片山さつき地方創生担当相も同日、参院選の自民党公認候補応援のために訪れた鳴門市で講演し、消費者庁について「まち・ひと・しごと創生基本方針の閣議決定以外のことは何も決まっていない」と述べ、徳島への全面移転を見送ったとする報道内容を否定した。

 片山氏は「基本方針には将来の地方創生につながるようにということまで書いて閣議決定している。これは重い」と強調。基本方針を受け、消費者庁が体制強化に向けて概算要求をするという方針で臨んでいることを明かし、「今までに比べると明らかに前向きだ」と語った。

 山口俊一衆院議員も「まだ党内でも議論をしていない」と語った。