アクサスが取得した旧保養所。蒸留所として2020年11月の生産開始を目指す=神戸市灘区(同社提供)

 徳島県内流通大手のアクサス(徳島市)は、神戸市の六甲山上に蒸留所を設立し、2020年11月からウイスキーの生産をスタートさせる。自社で洋酒の蒸留事業に乗り出すのは初めて。国産ウイスキーブームを背景に、国内外に売り出すほか、蒸留所で見学ツアーを受け入れたり、試飲できるスペースを設けたりして観光需要の取り込みも図る。

 蒸留所は鉄筋コンクリート3階建て延べ約500平方メートル。六甲ケーブル・六甲山上駅からバスで4分の場所にある製薬会社の保養施設だった建物を購入した。改装して蒸留器や、たるを並べる貯蔵ラック、バーカウンターを設置し、国から製造免許の取得を目指す。取得額などは非公表。

 大麦を仕入れ、自社で醸造、蒸留して熟成させるほか、市場に出回っていない原酒を海外から輸入し、六甲山の水で加水調整する商品もつくる。合わせて年間1万1千リットルの生産を計画している。

 酒類の輸入卸など既存事業のルートを活用し、国内の小売店や卸業者のほか、米国、オランダの商社などへ販売する。徳島県内でも酒類販売店などで取り扱う予定。

 アクサスはスコットランドの蒸留所に生産委託し、自社ブランドウイスキー「ウィンチェスター」を国内外に卸している。近年、国産ウイスキーの人気が高まっていることから国内での製造に乗り出すことにした。

 西日本で候補地を探していたところ、適当な遊休施設があり、ミネラル分を含んだ良質な水が得られることなどから、六甲山に決めたという。事業は神戸市から、六甲山の活性化を目的とした「にぎわい創出事業」に選定された。蒸留所では愛飲家や旅行者ら年間6600人の集客を目標にしている。

 久岡卓司社長は「六甲山の名水を使って良いウイスキーをつくり、暮らしに一花添えたい。早い段階で事業を軌道に乗せ、海外でも良さを認識してもらえるブランドにしていくことが目標」と話している。