四所神社の夏祭り。縁日に明かりがともり、子どもたちの歓声が響く昔ながらの光景が残っている=徳島市福島2

 日が沈み、参道沿いの屋台に照明がともる。オレンジ色の淡い光の中、浴衣を着た女性や親子連れの姿が見え、友達と連れだった男の子たちの歓声が境内に響き渡る。

 徳島市福島2の四所神社の夏祭りを訪ねた。人口減少が進む県内では、祭りを維持するのが困難になり、開催を断念する地域が相次いでいる。そのような中、こぢんまりとしながらも昔ながらの祭りの風情が息づいていた。

 四所神社には、創建の伝承として津田沖に浮かんでいた亀島(お亀千軒)の話が残っている。

 島にはほこらと2頭のシカがまつられ、老夫婦が毎日詣でていた。ある日、夫婦の夢に「ほこらの狛犬が赤くなると島が沈む。シカを連れて逃げよ」とお告げがあった。

 その話を聞いた若者が、いたずらで狛犬を赤く塗った。老夫婦が急いでシカを船に乗せ島を離れた翌日、島は大波で沈んでしまう。命拾いした老夫婦がシカをまつったのが神社の始まりとされる。

 古くは明神と称し、今でも「福島の明神さん」と呼ばれ、親しまれている。宮司によると、神社は地域に根付き、夏祭りも年中行事として大切にされてきたという。10月には秋祭りが催される。船だんじりも出て、周辺は一層にぎわう。