徳島市立の堀投手(左)と西尾捕手のバッテリー

 エース堀が投じた143球目は捕手西尾の足元でショートバウンドし、三塁ベンチ前に転がった。その間に城西の三走が本塁に滑り込み、ゲームセット。西尾は思わず地面に倒れ込み、天を仰いだ。記録はワイルドピッチだったが「捕れていれば」と悔やんだ。

 そんな西尾に手を差し伸べたのが堀だ。「ありがとう」。重圧に気持ちが崩れかけた最後のタイムで西尾が駆け寄った。「バッテリーをまだ続けられるかどうか、お前の投球次第やで。頑張ろう」。励ましには応えられなかったが、気持ちを込めた最後の一球に悔いはなかった。

 因縁浅からぬ仲の2人。小学校時代に助任ビーバーズで共に野球を始め、徳島中ではバッテリーを組んだ。互いに「コントロールがいい投手」「投げたいボールを必ずサインで出してくれる」と認め合う。中学最後の総体もバッテリーを組み、惜敗したことも共通の思い出だ。

 それだけに「最後の夏は1試合でも長くプレーしたかった」と堀。コンビはこの日で終わったが「僕の中で西尾が一番いい相棒なのは変わらない」と話す。大学進学後も野球を続けるという西尾も「いつかまたバッテリーを組めたら」と、最後は笑顔で握手を交わした。