少子高齢化や人口減社会への対応、社会保障の将来像、外交・安全保障政策など、山積する課題にどの政党が責任ある政策を示し、どの候補者が説得力のある主張をしたのか。しっかりと見極めたい。

 参院選がきょう投票日を迎えた。争点は明白だ。6年半に及ぶ安倍政権に対し強固な政治基盤を引き続き与えるのか、転換を求めて野党の議席を伸ばすのか。安倍政権に有権者が評価を下す選挙だ。結果は、首相が実現を目指す憲法改正の行方も大きく左右する。日本の針路を決める重要な選択と言っていい。

 難しい課題を抱える時代だからこそ、誤りなき判断をしたい。そのためには各党の公約集をインターネットで見比べるのも、有権者ができる手段の一つだ。例えば、経済政策を見ると、自民党が強調しているのは実績だ。「若者の就職内定率、過去最高水準」「中小企業倒産、28年ぶりの低水準」などの指標が並ぶ。

 確かに与党の経済政策が成果を上げた側面もある。一方で「果実はまだ中小企業や地方に行き届いていない」との声も根強い。実際、徳島の中小企業を見渡すと、深刻な人材不足に悩み、後継者難や地域経済の低迷を背景にした廃業の増加など、経営環境の厳しさに直面している。

 参院選で、与党はIT利活用による生産性向上や外国人材の受け入れ、事業承継支援の充実などを掲げ、野党は企業の雇用・賃上げ努力に応じた税制優遇や最低賃金の早期引き上げ、消費税増税の中止などを訴えた。成長への道筋をどちらに求めるか。政策の良しあしを見定めたい。

 選挙目前に、年金や社会保障制度が争点として浮上した。老後資金に2千万円が必要だと試算した金融庁審議会報告書が発端だ。超高齢化が進む中、社会保障の持続性への不安は強い。議論が深まらなかったのは残念だ。

 「徳島・高知」選挙区には4人が立候補した。合区で行われる2度目の選挙だ。与野党対決として事実上の一騎打ちとなった2候補の地元が高知のため、知名度の低い徳島での投票率が懸念されている。徳島新聞社が14~16日に行った世論調査では、県内有権者のうち参院選に「関心がある」と答えた人の割合は54・3%で、3年前の参院選時の調査を7・5ポイント下回った。

 前回参院選の県内投票率は46・98%で過去最低を更新し、都道府県別では2番目に低かった。

 民主主義を支えるのは投票だ。経済政策も社会保障も教育も外交も、1票の積み重ねの先にある。意中の候補や党がなくてもどちらの議席が伸びるのが好ましいか、との視点でもいい。最も関心のあるテーマを選んで、自分の考えに近い党や候補に投票する方法もある。

 この国の主権者は国民だ。主役としての思いを2枚の投票用紙に託したい。