作品:作画崩壊ガンダム/制作:おとやん(@otoyanblog)(C)創通・サンライズ

 『機動戦士ガンダム』シリーズは、世界に誇る日本のポップカルチャーとして世界的な人気を誇る強力IP。その礎となったのは1980年代前半のガンプラブームだ。そんな「ガンプラ」進化の一翼を担ってきたモデラーたちの妄想力について、“作画崩壊ガンダム”を制作しSNSで話題となった、おとやん氏(@otoyanblog)を取材。TV版ファーストガンダムに登場した“作画崩壊ガンダム”を制作した理由や、その魅力を聞いた。

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■“作画崩壊”は、限られた制約の中で何とかして生み出したスタッフの気概

――『機動戦士ガンダム』の15話、「ククルス・ドアンの島」に登場する“作画崩壊ガンダム”を制作された理由は?

【おとやん】友人がこの手のおもしろ画像をスタンプ代わりに使っていたので、自分も作ってみたいと思ったのが理由です。

――作画崩壊にはどんな思い入れがありますか?

【おとやん】作画崩壊という言葉はいわゆるネットスラング的な負のイメージを持つ方も多いと思います。アニメスタジオの資金、人、時間、様々な要因によってそれは生まれてしまうわけですが、逆に考えると限られた制約の中で、何とかして生み出したスタッフの気概の一部でもあります。ガンダムに限らず全てのアニメーションにおいて言えることですし、まずは「納期を守る」という観点では、どんな仕事についても同じことが言えるでしょう。なので、生まれた経緯に敬意を、存在に感謝です。

――作画も大事ですが、ガンダムの魅力はストーリーにあるとも言えます。

【おとやん】はい。そもそも繋ぎの絵が崩壊したところでどうということはなく、動いてそれっぽく見えりゃそれでいいんです(笑)。今は技術も進化し、ことメカに関してはCGが殆どなので崩壊するケースも減っています。それはとても素晴らしい事なのですが、ちょっと寂しい気もします。ククルス・ドアン回のような“偶然生まれる芸術”は、今後生まれないわけですから。

――ファーストガンダムの15話「ククルス・ドアン回」の印象は?

【おとやん】ファーストガンダムは何十回も見すぎていて、好き嫌いという概念すらないです。空気(酸素的な意味で)です(笑)。

――ドアン回以外で好きな話はありますか?

【おとやん】14話「時間よ、とまれ」、爆弾駆除の話ですね。ラストのガンダムの足の裏のカタチが美しいと思っています(ヒト的な意味で)。

■“作画崩壊ガンダム”を作ることで、当時のアニメーターの苦労がわかった

――ベースにしたキットは何ですか?

【おとやん】ベストメカコレクション「1/144 RX-78 ガンダム」ですね。安かったんですよ(苦笑)。最近見かけないですね。もっと再販してほしいです。

――苦労した点を教えてください。

【おとやん】当時のアニメーターも苦労したと思うのですが、頭部左右のエアダクトみたいな穴がやたら多いんですよ。カタチも数も左右で違うし。アニメーターの方も時間が無かったでしょうに、余計時間かかることしちゃって…(苦笑)。なので私も同じ苦労をしました。

――制作でこだわった点を教えてください。

【おとやん】上記の穴もそうですが、なんかシールドの仕様が違うので同じように見えるように制作しました。今見てみたら、サーベルの柄が放送時はえらく細長いですね。今度つくり直しときます(笑)。

――普段はどんな作品を作っていますか?

【おとやん】基本、モナカキット(接着剤が必要なキット)が多いです。スナップキット(接着剤不要)より「プラモ作ってます」的な達成感を感じるので。あと、基本的には安いんですよね。

――そもそも、ガンプラに目覚めたきっかけは?

【おとやん】子どもの頃、事故で入院していたのですが、当時は病院の売店でプラモを普通に売ってました。接着剤、塗料、筆なんかも。何という牧歌的時代(笑)。動けないので暇つぶしにベッドの上で作ったガンダム。30数年を経ていまだに同じの作ってんのかと、自分のことながら笑ってしまいますね。

――もう人生の相棒ですね。

【おとやん】ガンプラとの始まりは、生きるための暇つぶし。今は、死ぬまでの暇つぶし。ガンプラがあったから沢山の仲間ができました。ありがとうガンダム!

(C)創通・サンライズ


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