今月3日に三好市井川町大佐古の市養護老人ホーム敬寿荘(鉄筋コンクリート2階)の北館1階にある霊安室で衣類の一部が燃えた放火事件で、建造物等以外放火の疑いで逮捕された老人ホーム臨時職員土井晃子容疑者(46)=同市井川町御領田=が、県警の調べに容疑を認める供述をしていることが23日、分かった。徳島地検は同日、より重い現住建造物等放火未遂罪に切り替えて徳島地裁に起訴した。裁判員裁判の対象となる。
捜査関係者によると、土井被告は逮捕前の県警の任意捜査に対して容疑を否認し、逮捕後は黙秘していた。その後、ライターで火を付けたことを認める供述をしており、ライターは支援員室に複数置いてあったうちの一つを使ったという。動機については、はっきりした供述をしていない。
施設は支援員室がある本館と新館、霊安室などがある北館の3棟からなる。逮捕の決め手となった防犯カメラの映像は、北館に向かう通路を写すカメラで撮影された。映像には霊安室の入り口が一部映っており、土井被告が出火直前に1人で室内に数分間入り、本館に戻る姿が記録されていた。
施設では、昨年6月13日と9月7日、今年1月18日とぼやが相次いでいた。県警は、土井被告が過去の出火にも関与していないか調べているが、土井被告は認める供述をしていない。
地検は罪名を切り替えた理由を「建物を燃やす危険性が大きく、老人ホームを燃やすための行為だったと評価した」と説明した。
起訴状によると、土井被告は今月3日午前9時20分ごろ、霊安室に置かれていた衣類にライターで火を放ち老人ホームを焼損しようとしたが、他の職員が消火したため衣類や畳を焼いたにとどまったとしている。