事業着手以来、44年かけて完成した「脇町第一堤防」。左上を流れるのが吉野川=美馬市脇町拝原

 国土交通省が美馬市脇町拝原の吉野川北岸で整備を進めていた「脇町第一堤防」(全長3460メートル、高さ約7メートル)が完成した。1973年に築堤事業に着手して以来、44年かけての完工で、住民らにとって長年の懸案だった”無堤状態“が解消される。26日、関係者約120人が参加し、現地で式典を行う。

 整備されたのは、吉野川北岸の支流・大谷川と、曽江谷川の各合流地点に挟まれた区間。

 築堤事業は、河川敷にあった一般廃棄物処分場を巡って紛糾した。地中に埋められたごみを掘り返し、別の場所に埋め戻す必要があったため、環境汚染を恐れる住民が激しく反発。工事中止を求める訴訟などのため、1992年から2010年まで約20年間中断した。

 その後、美馬環境整備組合が河川敷の処分場から、堤防外側に整備した処分場にごみを移す作業を進め、16年10月に完了。国交省は同月、残り190メートルとなっていた築堤工事を再開していた。事業費は約59億円。

 拝原地区では、04年10月の台風23号で55戸が床上・床下浸水に見舞われるなど、長年、大雨時の浸水被害に悩まされてきた。国交省徳島河川国道事務所によると、脇町第一堤防の完成で同規模の台風が発生しても、吉野川からの浸水被害はなくなるという。

 徳島河川国道事務所は「市や地域住民の協力や理解があり、ようやく堤防が完成した。住民が安心して生活できると思う」としている。