ロシア発祥の格闘技「サンボ」の第43回全日本選手権大会(日本サンボ連盟主催)で、藍住町出身の田北健太郎さん(21)=法政大3年=が優勝した。本来は柔道選手で、サンボ歴は1年余り。2度目の挑戦で達成した快挙にも満足せず、次は世界選手権でのメダル獲得を目標に据えている。
全日本選手権は12日に東京・墨田区総合体育館であり、男子90キロ級に田北さんら13人が出場した。1回戦シードの田北さんは準々決勝、準決勝と勝ち上がり、決勝では優勝3回の実力者と対戦。1ポイント先取される苦しい展開だったが、終盤、柔道のともえ投げに似た投げ技「帯取り返し」で2ポイントを奪い、逆転勝ちした。
柔道に打ち込んできた田北さんは徳島商高3年の2013年に全国高校総体5位、法政大進学後の14年に全日本ジュニア体重別選手権5位と活躍。昨年1月、柔道に生かそうとサンボを始めた。初出場した2月の全日本選手権で2位になり、日本代表として3月のワールドカップ(ロシア)、11月の世界選手権(ブルガリア)に出場した。
「前回の日本選手権は準優勝で悔しい思いをしたので、最高にうれしい」と言う田北さん。再び国際大会出場のチャンスが巡ってくる。「今度こそメダルを取りたい」と意気込んでいる。
サンボは柔道とレスリングを融合させたような格闘技。専用の道着「サンボジャケット」を着て技を掛け合い、ポイントを競う。絞め技が使えず、足への関節技とタックルが認められている点が柔道と大きく異なる。