海部 二回以降得点できず

▽1回戦(第2試合)
 
海 部
城 東 ×
      
城東対海部 8回裏、城東2死一、二塁、森本が中越え2点二塁打を放ち7―5と勝ち越す=鳴門オロナミンC球場

 [評]城東が5点差をはね返した。同点の八回、連続死球などで2死一、二塁とし、森本の中越え2点二塁打で勝ち越した。3点を追う六回には連打の井村、稲葉が上地の左越え二塁打で生還。暴投で三進後、久野の中犠飛で追い付いた。海部は一回、奥村の2点三塁打などで5点を奪ったが追加点がなかった。

 気を吐く3安打

 

 「とにかく後ろにつなぐ意識で打席に立った」。3安打と気を吐いたのが海部の7番奥村=写真。一回の第1打席は2点を先制し、なお2死一、二塁で回ってきた。「内角の直球を芯で捉えられた」という当たりは中越え2点三塁打。

 その後は、2番手で登板した相手エースからも2安打を放った。逆転負けに笑顔はなかったが、自らのプレーには「力を出しきることはできた」と一言。そして後輩たちへ「一つでも多く勝てるように練習してほしい。僕もグラウンドに顔を出す」と言葉を掛けた。

 

 諦めず反撃 終盤一気 城東

 城東ナインが新チーム結成時に決めたスローガンは「徳島で一番諦めの悪いチームになる」だった。海部との1回戦はスローガンを地で行く展開になった。

 一回、先発鶴野の制球が定まらず、3四死球と適時打などでいきなり5点を奪われた。動揺するベンチを見て鎌田監督が一喝する。「まだ初回。慌てず落ち着いてやれば勝てる」。選手の表情から不安が消えた。

 一、三回に1点ずつ返し、六回に追い付く。意気上がる八回は2死から森本が値千金の2点適時打でついに勝ち越した。森本は「ストライクは全部はじき返すつもりだった。前の打席で力みすぎたので、楽に振ったのが良かった」と会心の一打を振り返った。

 二回から救援した井村も好投。「もう1点もやらない」と、直球のコントロールに気を付けながら無失点でかわした。

 スローガンを胸に「練習からみんなで一つのアウト、一つのカウントに集中してきた」と飯田主将。次は強豪池田との対戦だが「きょうのようにしぶとく、粘り強く戦って勝つ」と自信をのぞかせた。 

 

 大会直前骨折したエース 松吉 蓮治投手 (海部)

 「心が折れたら負けやぞ」

 

 予期せぬアクシデントに見舞われた。5月19日に香川であった練習試合。右打席で利き腕の右手にボールが直撃した。「当たった瞬間、痛みが普通と違った。ひびであってほしいと願った」。だが病院での診断結果はくるぶしの骨折だった。

 全治6週間。県大会直前の大けがに「しばらくは何をしていいのか分からなかった」とショックから立ち直れないでいた。それでも仲間が懸命に白球を追う姿を見て落ち着きを取り戻し「自分にできることは何か」を考え、新たにエースナンバーを付けた2年川添のサポートに徹した。

 けがを押してでも出たい気持ちもこみ上げたが、自らが練習を休んでいる間、頑張ってきた後輩に自分の分まで投げ抜いてほしいとマウンドを託した。

 城東戦では六回無死一、三塁のピンチで伝令として川添のもとへ走った。監督の指示を伝えた後、「心が折れたら負けやぞ。強気でいけ」と自らの言葉で励ました。川添は直後に打たれはしたものの、同点で踏みとどまった。

 高校最後の夏、マウンドに立つ機会はなかった。「しんどいことが多かったけど、春の大会では1勝できた。この仲間と野球ができて良かった」。3年間を振り返る表情は爽やかだった。

 

 生光学園 逃げ切る 阿南光はチャンス生かせず

▽同(第3試合)
 
阿南光
生光学園 ×
      

 [評]生光学園が先行逃げ切りを図った。一回、中越え三塁打の森本を吉田が中前打でかえし、さらに井奥の左前適時打で2点目。四回には中島の右前打を足場に北田の犠飛などで2点を加えた。守っては2併殺でピンチの芽をつむなど堅守が光った。阿南光は序盤、得点圏に走者を送ったが後続がなかった。

 単独初勝利逃す

 

 阿南光単独での夏初勝利はならなかった。成松主将=写真=は「僕たちも春とは違うチームになっているとは思っていたが、それ以上に相手が強かった」と完敗を認めた。

 阿南工と新野の学校統合による新チームのまとめ役を任された。部室の掃除徹底などで考え方が違い選手同士がぶつかることもあったが、試行錯誤しながら和を築いた。練習では大きな声で先頭に立ち、試合では守備の要の捕手として仲間を鼓舞した初代チームリーダーは、甲子園出場の夢を後輩へ引き継いだ。

 

 無失策で危なげなく 生光学園

 生光学園は危なげない試合運びで、4月に就任したばかりの幸島監督に夏の初勝利をプレゼントした。監督が一番喜んだのは無失策の守備陣。「以前は自滅する試合が多かったので、春からは特に守備に取り組んできた」と明かす。

 その成果を見せたのが小川、吉田の二遊間コンビだ。一回2死二塁の場面で難しいゴロをさばいた二塁手の小川は「練習で積み重ねてきたことが出せた」。四回の遊ゴロで併殺も決めた1年生遊撃手の吉田は「緊張したけど、ベンチ外の先輩の分まで貢献したいと思っていた」と安堵(あんど)の表情で振り返った。

 先発の右腕上原は五回にソロを浴びたものの、野手陣の手堅い守りで「気持ちよく投げられた」。ロースコアで競り勝つのがチームの身上だけに「今日の勝利でいい手応えがつかめた」と笑顔で汗を拭った。

 県内最多の部員88人の大所帯。激しいチーム内競争を経てベンチ入りした選手が目指すのは「優勝」の二文字のみ。試合後の応援団へのあいさつで、森本主将は「チーム一丸で勝ち進みたい」と元気よく話していた。

阿南光対生光学園 1回裏、生光学園無死三塁、吉田が中前打を放ち先制する

 

 川島 集中打で大勝 那賀 バント失敗など響く

▽同(第1試合)
 
川 島         11
那 賀        
               5回コールドゲーム     

 [評]川島は三回以降、打線がつながり大勝した。三回、2死から坂本の中前打をきっかけに森本、蔵山、藤田の長短打で3点を先取。四回は9番細谷からの5連打で4点、五回には蛇目のランニング本塁打などで4点を奪い試合を決めた。那賀は送りバント失敗などで走者を進められず、三塁を踏めなかった。

 「力出し切った」

 

 那賀は先発の橋本=写真=が三回に捕まった。2死から連続安打と暴投で失点。さらに川島の4番に低めをすくい上げられ、ならばと次打者に投げた高めの直球もはじき返される。「積極的に振ってくると聞いていた。かわしたかったけど、できなかった」と素直に脱帽した。

 1週間ほど前から体調を崩し、十分練習できなかった。それでも一、二回はテンポよく打たせて取り、無失点でしのいだ。橋本は「今出せる力は出し切った」と、晴れ晴れとした表情だった。

 

 打線つながり好発進 川島

 秋の県大会王者の川島が再びの頂点へ好発進した。本来はエースを中心に先行逃げ切りを得意とするチームだが、この日は12安打11得点と打線が爆発。守備も無失策と本領を発揮した。

 三回に打線がつながった。2死から坂本が中前打で出塁。続く3番森本は打席の立ち位置を第1打席と微妙に変えた。「監督からタイミングの取り方などの指摘を受けて調整してみた」と中前に運び期待に応えた。4番蔵山、5番藤田と中軸が長短打で続き、4連打で3点。四回も攻撃の手を緩めず、5連打で4点を奪った。

 チームは昨秋以降、打撃力向上に力を入れてきた。冬場には1日1000~1500スイングとバットを振り込んだ。その成果が表れ、外野の頭上を越える打球が増え、選手は自信を付けた。
大会第1号となる3点ランニング本塁打を放った蛇目は「投手のことも考え、五回で決めたかった。冬の練習は間違いではなかった」と手応えを口にし「次からの一戦一戦もノーエラーで勝ち進む自分たちの野球をする」とかぶとの緒を締めた。

那賀対川島 5回表、川島1死一、二塁、蛇目(中央)のランニング本塁打で11-0とする