高校野球の第101回全国選手権徳島大会第9日は25日、鳴門オロナミンC球場で2回戦4試合が行われ、ベスト8が出そろった。第1試合は第3シードの徳島北が3―2で小松島に、第2試合は鳴門が4―2で徳島科技にそれぞれ競り勝った。第3試合は第4シードの池田が9―2で城東にコールド勝ちした。第4試合は川島が4―2で生光学園を下した。大会第10日の26日は午前9時半から、同球場で準々決勝2試合が行われる。

 徳島北、九回決勝点 小松島、終盤力尽きる

徳島北対小松島 9回表、徳島北1死二塁、蔭が右越え適時三塁打を放ち3―2と勝ち越す=鳴門オロナミンC球場

 [評]徳島北が接戦を制した。同点の九回、青山の右前打と柏木の送りバントで1死二塁とし、蔭の右越え三塁打で勝ち越した。投手陣は渡邉、河野の継投で小松島の反撃を2点に抑えた。小松島は四回1死二塁から新居と小谷の適時打で追い付いたが、五、六、七回の得点機を生かせずリードを奪えなかった。

前田昌輝主将

 小松島・前田昌輝主将(ロングリリーフも九回に1失点)「渾身(こんしん)のストレートを打たれた。チーム力は互角だったが、チャンスでの1本が勝負の差になった」

 

 

 

 

  攻守に粘り強さ発揮 徳島北

 春の県大会王者で、10年ぶりの甲子園出場に挑む徳島北が、最後まで1点を争う白熱の攻防で勝負強さを見せた。一つのヤマ場を乗り越え、青山主将は「チーム全体の力で勝ち切れた」と笑顔を輝かせた。

 好投していた先発渡邉が四回、ボークからリズムを崩して2|2の同点に。五回は途中救援した河野が、四球などで1死満塁のピンチを迎える。「自分たちがチャンスを逃した直後のピンチ。流れが変わる場面だった」と青山。だが、河野が焦らず次打者を二ゴロ併殺に仕留めた。落ち着いてゴロをさばいた青山は「きょうの大きなポイントだった」と振り返った。

 手に汗握る展開に決着をつけたのは4番蔭。相手の救援前田は外角が多いと気付いていた。「しっかり踏み込んで打とう」。狙い通りに大きな右越え三塁打を放ち、「高校3年間で一番気持ちいい当たりだった」と笑った。

 安定感のある渡邉、河野のWエースに勝負強い打撃陣。この先も難敵との対戦が続くが、青山は「チームの状態はすごくいいと思う」と自信をのぞかせた。

 川島、序盤に主導権握る 生光学園は10安打生かせず

川島対生光学園 9回2失点で完投した川島のエース細谷

 [評]序盤に主導権を握った川島が逃げ切った。三回1死一、三塁から森本の右越え三塁打と蔵山の右犠飛で3点を先制。五回には、2死二塁から森本の適時打で1点を追加した。先発細谷はスライダーを駆使して9回を完投した。生光学園は九回無死二塁の好機をつくったが、得点できなかった。

森本匠哉主将

 生光学園・森本匠哉主将(秋季大会惜敗のリベンジを果たせず)「勝負どころで力の差が出た。後輩たちにはまた強いチームをつくって甲子園出場に挑んでほしい」

 

 

 

 

 エース143球力投
 先行逃げ切りのプラン通りの展開で、生光学園の追い上げをかわした川島。エース細谷が10安打を許しながらも、2失点に抑える粘りの投球で8強入りを決めた。細谷は「甘く入ると狙われるので、厳しいコースを突くよう心掛けた」と143球を振り返った。

 エースの力投にバックは2併殺、無失策でもり立てた。三回は一塁走者の盗塁の間に三塁走者にホームを狙われたが阻止。森本主将は「ベンチの雰囲気が良く、全てがプラスに働いた」とチーム全体での勝利を喜んだ。

 鳴門、効果的に得点 徳島科技の追い上げ及ばず

鳴門対徳島科技 1回裏、鳴門2死二塁、浦が中前適時打を放ち先制する

 [評]鳴門がこつこつ得点し逃げ切った。一回、2死二塁から浦の中前打で1点を先制。三、五回にも1点ずつ加え、六回も2死二塁から西野の左前打で1点を追加した。投げては西野が14三振を奪い142球で完投勝利。徳島科技は八回2死二、三塁から失策と安打で2点をかえしたが、後続が倒れた。

木村侑登主将

 徳島科技・木村侑登主将(2四球を選んで得点にも絡む)「最後まで諦めず接戦に持ち込むことができた。西野投手は直球、変化球とも一級品だった」

 

 

 

 

 3打点の大活躍
 鳴門は4番浦が主軸の役割をしっかり果たした。好機のたびに打席が巡ってきて3安打3打点。「先発の西野が完璧に近い投球で頑張っていたので、何とか楽にしたかった」と充実した表情で汗を拭った。

 打席では逆方向に強い打球を打つことを意識。「相手の近藤投手は直球が武器。押してくると思った」と狙いを語る。五回は145キロの速球を右越えにはじき返し追加点。「次戦も相手にプレッシャーをかけるような打撃を心掛けたい」と活躍を誓った。

完全燃焼のエース 近藤駿投手(徳島科技)
次の夢へ挑戦を誓う

 

 聖地のマウンドに立つ―。1年の秋からチームのマウンドを守り続けたエースの夢は終わった。それでも今大会は「いつもはピンチで崩れていたが、絶対勝つという気持ちで押した。今持っている力は出せた」と充実の表情を見せた。

 鳴門には昨夏六回コールド、今春五回コールドといずれも大敗しており、自身も途中降板と力を出し切れなかった。今大会は9安打を許したが、イニングが進んでも疲れはなく制球も良かった。直球は自己最速の146キロを記録。最後まで140キロ台を出し続け「冬の成果がやっと出てきた」と喜んだ。

 冬に食事トレーニングを導入。ウエートトレーニングで体重を増やし、走り込みで体を絞るとともに徹底的に下半身を強化することで体の切れが良くなった。夏が近づくにつれて疲労もたまらなくなり、万全な状態で臨んだ大会だった。

 甲子園出場の夢はかなわなかったが、野球を諦めたわけではない。これからはプロの世界で活躍するために大学へ進み、さらなるレベルアップを図る。「まずは体を鍛え、高校時代に出せなかった150キロ超を達成する」。成長への確かな手応えを胸に挑戦を続ける。

 池田、集中打で大勝 城東は反撃2点止まり

池田対城東 2回表、池田1死満塁、榊原の左前適時打で1―0と先制する

 [評]中盤以降、着実に加点した池田が大勝した。二回、2四球と野選で得た1死満塁の好機から榊原の左前打で先制。益田の右前打で2点を加えた。七回には中、流宇の三塁打、榊原の二塁打など長短4安打で4点を挙げ突き放した。城東は二、六回に適時打で1点ずつを奪い反撃したが後がなかった。

飯田太智主将

 城東・飯田太智主将(七回コールド負け)「先発井村は疲れもあって調子が良くなかった。打線が打ってカバーしたかったが、ミスも出て好機に決めきれなかった」

 

 

 

 

 狙い球絞り攻略
 池田打線が城東のエース井村を攻略した。伸びのある直球と切れのいい変化球が武器の右腕に対し、外の直球に狙い球を絞ることで徐々にタイミングを合わせた。二回に先制の左前適時打を放った榊原主将は「速い直球を打つ練習を繰り返してきたので自信はあった」と振り返った。

 試合中のベンチでも常に自分たちがするべき打撃を再確認。追い上げられても相手の勢いにのまれないように集中し、最後は長打攻勢で突き放した。2安打3打点と気を吐いた益田は「外角狙いの意識が最後まで切れなかったことが大きい」と勝因を分析した。