県教委が黒塗りで開示した臨時会の議事録(右端)など

 徳島県教委は30日、公立普通科高校の学区制見直し方針に教育委員が合意したとする臨時会(6月21日)の議事録を巡り、徳島新聞の情報公開請求に対して委員らの発言内容を全て黒塗りにして開示した。昨年度の有識者会議の議事録についても大半を黒塗りにして示し、政策決定や議論の過程を明らかにしなかった。県教委は「県民の誤解や臆測を招き、不当に混乱を生じさせる恐れがある」などと説明している。

 臨時会は、美馬持仁教育長が2020年度入試からの学区制見直し方針を県議会代表質問で表明する4日前に非公開で行われた。

 徳島新聞は、議論の過程を知るために議事録の公開を請求した。しかし示された議事録(A4判、4ページ)は、発言者名も内容も全て黒塗りで、どんな議論が交わされたのか全く分からなかった。

 県教委は4月12日と6月10日の定例会でも非公開で学区制を議論。この議事録の開示請求にも、該当部分は黒塗りだった。

 美馬教育長が県議会で方針表明した後、学区制の見直し方針を正式に議決した6月28日の定例会は公開で行われた。ただ、委員の発言はなく、実質的な議論は臨時会までに終わっていた。

 このほか、県教委が昨年度に5回開いた有識者会議の議事録を巡っても、同様の対応だった。有識者会議は3月に提言内容をまとめ、学区制見直しに大きな影響を与えている。各回11~17ページ(A4判)ある議事録のうち内容を確認できたのは、開催日時や出席者などを記した箇所だけだった。

 県教委は「公にすると、率直な意見交換ができなかったり、意思決定の中立性が損なわれたりする恐れがある」などとしている。

 

 議論内容 公開を

 知る権利の擁護に取り組むNPO法人「情報公開クリアリングハウス」(東京)三木由希子理事長の話 議事録を可能な限り公開し、特定の誰かの意図で結論が導かれたのではないと示すのが、政策判断の妥当性を担保することになる。学区制は社会的に強い関心がある案件で、議論の中身が全て黒塗りになるのは問題だ。

 

 公立普通科高校の学区制見直し方針 現在の中学2年生が受験する21年度入試から、徳島市の城東高校を「全県募集校」に切り替える。さらに20年度入試からは、現行の3学区制を維持した上で全学区で学区外からの生徒流入率を緩和する。こうした方針は「通学区域制に関する有識者会議」の提言に沿った内容となっている。