藍を用いた商品が、どんどん広がりを見せている。独特の色合いが商品によって清涼感や重厚感、高級感を醸し出し、心引かれる人も多い。暮らしのさまざまな場面に藍が溶け込んでいる。

S&F  Associates

 

 2018年5月、眼鏡専門誌の表紙を飾ったのは、藍フレームのサングラス。S&F Associates(徳島市)が手掛ける商品だ。

 デザインは7種類。本藍で異なる濃さに染めた阿波和紙をパッチワーク風に編み込んだほか、阿波和紙をカットしてちりばめたり、独自に開発した溶剤に蒅を混ぜ込んで柄模様を付けたりしている。

 藍は、プラスチックに浸透も定着もしないとされる天然染料。ブランド名「Fascino Ribelle」(ファッシノ・リベッレ、魅力ある抵抗)のごとく、「藍は眼鏡に使えない」という固定概念を覆した。

 山口進也代表は「現代の技術で新しいものに置き換えることが、藍が生き残るヒント」とする。江戸時代の火消しが防火服に藍染を用いるほど耐熱性に優れ、紫外線も通さない。「着色方法だけではなく、機能性が他のプラスチック用品にも応用できれば、未知の発展性が見つかるかも」と期待を膨らます。

眼鏡、サングラスともに使えるフレームで税込み45360円~。徳島県内では「EYE CRAFT」(徳島市)で販売。 ▷s-and-f@me.pikara.ne.jp

Yoshimoku

 

 木製雑貨の製造販売を手掛けるYoshimoku(ヨシモク、徳島市)の小型スピーカーは、2012年の発売開始以来、売り上げを伸ばしている。

 40年来のオーディオ好きである吉崎準二代表が「よいもの」を志向して作り上げた。独自の設計で良質な音を生み出し、県産ヒノキに組み込んで染師の原田史郎さんが染めた綿布を張った。スギ材を藍で塗装した立方体型は、浮き上がる木目が美しい。

 ワイヤレスの直方体型には、ブナ材やウォルナット材を使用し、表面には長尾織布(徳島市)のしじら織を用いている。

 新たに商品化した時計は、同じく長尾織布のしじら織を張った裏側から、LED照明で時間と温度が表示される。スピーカーと同様、木と藍の相性の良さを体現している。

スピーカー税込み7506円~、時計9504円。「プラザアレックス沖浜店」(徳島市)、直販ウェブショップなどで販売。 ▷088(625)2534

ボン・アーム

 

 「商人がお守り薬として胸元にしのばせる」と言われるほど、消炎や解毒などの薬効があると伝えられてきた藍。現代の成分分析では、生活習慣病予防に効果があるとされるポリフェノールをはじめ、食物繊維やミネラルも豊富という。

 ボン・アーム(徳島市)は、ハーブティーや菓子、あめなどを「藍食人」シリーズとして販売している。美馬市にある契約農家が完全無農薬で栽培し、苦みを抑えるため成長が早い段階で収穫した葉や茎を乾燥して使用している。

ハーブティー税込み734円など。阿波おどり会館内「あるでよ徳島」などの土産品店や「藍の館」(藍住町)、直販ウェブショップで販売。▷088(656)3220

秋工芸

 

 秋工芸(徳島市)は、県産の孟宗竹を天然灰汁発酵建てで染めたマグカップやビールジョッキを商品化している。表面は削って加工し、吉野川で波打つ水や、きらめく水面をイメージしている。

 「生育場所や成長年数によって染まり方が異なる」と湊先秋年代表。「若い竹や、柔らかな朝日を浴びる東側は染まりやすい」といった感覚がある。食品衛生法で認可されたウッドセラミック塗装を施し、冷温どちらでも使用可能だ。

 購入者から「無糖のコーヒーがほの甘く感じられた」「注いだビールの泡がきめ細かい気がする」との声が寄せられたこともあるという。

マグカップ税込み3240円、ジョッキ7000円など。阿波おどり会館内「あるでよ徳島」(徳島市)、時代屋(美馬市)などで販売。 ▷090(8690)3179

東光

 

 涼やかな色と柄が夏の季節によく似合い、足元を彩る。東光(徳島市)は、藍色のレギンスやサポーターを展開している。医療用弾性ストッキングの製造で培った着圧設計技術を採り入れ、美しさや健康面もサポートする。

 しなやかで吸湿・放湿性に優れたキュプラは、ナイロンやポリウレタンと異なり、天然染料である藍で鮮やかに染まる。染色には藍の館(藍住町)が協力している。

 第22回靴下求評展(日本靴下協会主催)で第2席、第56回徳島県発明工夫展(県発明協会主催)で第1席に輝くなど、品質は折り紙付きだ。

レギンス税込み10800円、サポーター4320円。阿波おどり会館内「あるでよ徳島」(徳島市)やインターネット通販「楽天市場」などで販売。 ▷088(641)1122