徳島市は1日、徳島市立木工会館(福島1)の移転先として、アミコビル(元町1)を選んだと発表した。市議会9月定例会に関連予算案を提出し、可決されれば、ビルを運営する市の第三セクター・徳島都市開発と契約。来年7月ごろの開館を目指す。

 徳島都市開発によると、アミコ専門店街1階テナントと、そごう徳島店9階レストラン街のそれぞれ空きスペースを活用。1、9階合わせて市が求める300平方メートル以上の利用面積を確保するとしている。

 移転先として2件の応募があり、大学教員や建築士ら5人でつくる選定委員会を7月29日に開催。利便性や集客性など5項目を委員が採点した定性審査点と、賃料の低い方により点が与えられる価格点の合計点で選んだ。市によると、アミコビルは特に価格点が高かった。

 徳島都市開発の一宮信牲社長は「市の地場産業振興や徳島駅周辺の活性化に努めたい」と話した。アミコビルにはそごう徳島店と専門店街のほか、市立図書館やスマイルホテル徳島が入っている。

 木工会館の指定管理者・市地場産業振興協会の上杉和夫理事長は「市は会館を拠点に活動する業界関係者に全く説明しないまま、結論ありきで進めた。非常に残念だ。われわれは今後も現地存続を求めていく」と語った。

<解説>

 徳島市が市立木工会館の移転先をアミコビルに決めたのは「既定路線ではないか」との見方が根強い。近年、郊外型量販店の出店などの影響で、アミコビルには空きスペースが増えている。そんな中、市は沈滞ムードが漂う徳島駅前の活性化を重点施策に掲げていた。このため、移転先の公募が始まる前から「市はアミコビルに移転させようとしているのでは」との憶測が関係者で広まっていた。会館の移転を巡っては、渭東地区の住民が7月下旬に「存続を進める会」を結成するなど反対の動きがある。そうした声を抑え込むような市の姿勢は、市地場産業振興協会や出店者らの反発を招いているのが実情だ。市は地元への丁寧な説明と理解を得る作業を怠ってはならない。

<市地場産業振興協会>

 徳島市地場産業振興協会は1日、緊急の評議員・役員会を開き、市立木工会館の現地建て替えを市に求める方針を転換し、耐震化による存続を要望していくことを決めた。

 10人が出席。役員内に耐震化を求める声があり、市内の1級建築士青木稔さん(69)を招いて意見を聞いた。青木さんは「建物の状態によっては、かなり費用を抑えられる」と説明した。出席者からは「多大な費用がかかる建て替えは現実的に厳しい」などの意見が相次ぎ、改修を求める方針を全会一致で確認した。会館は2010年度に市が行った耐震診断で、地震による倒壊の可能性が指摘されている。協会は今後、診断結果の分析を青木さんに依頼する。