阿波踊り本番が迫り、猛暑を吹き飛ばすかのように練習に励む連員たち=徳島市南前川町3の助任川河岸緑地

 5月の連休が終わると、徳島市内のあちこちで鉦や太鼓の音が聞こえ始める。「ああ、阿波踊りの練習が始まったな。もうそんな季節だな」。耳にするだけで夏の訪れを感じる徳島ならではの風物詩と言えよう。

 近年は鳴り物の音が騒音として捉えられ、踊り連は練習場所の確保に四苦八苦しているという話も聞く。しかし、神社の境内や広場、吉野川の河川敷などをうまく活用して練習に励んでいる。

 5月の半ばから本格的な練習が始まるのには訳がある。踊り子の技量向上は当然ながら、暑い演舞場で踊り抜く体力づくりを狙っているという。3カ月前から練習を繰り返し、持久力を高めていくそうだ。

 徳島市南前川町3の助任川河岸緑地を訪ねた。川沿いの広場では有名連の娯茶平がほぼ毎日、午後7時から9時まで練習している。日が暮れ始めると、仕事を終えた連員たちが次々と集まってきた。

 明かりがともり、踊り子のシルエットが長く伸びる。練習は20分踊って10分休息が基本。蒸し蒸しとした暑さで、たちまち汗びっしょりになる。

 開幕まで10日を切り、練習は佳境に入っている。本番さながらの2時間が、あっという間に終わった。