衰弱したスダチの古木を心配そうに見守る橋本さん=神山町鬼籠野

 全国有数のスダチ産地・神山町で、県内最古とされる樹齢約200年の古木が枯れ始めている。2年前に害虫による被害が見つかって以降、葉が落ちるなど衰弱し、今季の収量は例年の2割以下になる見通し。町は、害虫が開けた穴に薬剤を塗ったり、枯れ枝を伐採したりして回復に努めているものの、厳しい状態が続いている。

 神山町鬼籠野にある古木は、近くのスダチ栽培農家の橋本純一さん(87)が所有している。橋本さんらによると、古木は例年、張り出した枝に青々と葉が茂り、1万個以上の実を付けてきた。2015年には約350キロを収穫した。

 しかし、17年に害虫ゴマダラカミキリが開けたとみられる直径約1センチの穴が根元付近で複数見つかって以降、葉の変色や落葉が目立つようになった。今年は一回り小さい実がまばらに付く程度で、収量は例年の2割に満たないという。

 町は、JA名西郡と対応を協議。2年前から薬剤の塗布や枯れ枝伐採のほか、実を成長の初期段階で全て落として体力を温存させる処置を試みているものの、衰弱は止められていない。

 かつて古木の近くには、樹齢がさらに100年ほど古い木があったという。橋本さんは「200年の木は何としても守りたい」と願っている。

 県農林水産総合技術支援センター(石井町)は「実を成長の初期に落とすのは樹勢回復に効果がある。施肥や枯れ枝除去などの対策と組み合わせて、地道に取り組むしかないだろう」とする。

 町産業観光課は「神山の大切な木を後世に残すため、処置を尽くしたい」としている。

 スダチの古木は、明治後期、橋本さんの曽祖父が畑を購入した際には既に存在し、1800年ごろに植えられたと伝わる。高さ約7メートル、幹回り1・2メートル。若木と異なり、スダチの実の香りや風味が強いのが特徴。