徳島をテーマにした全国公募の掌編小説コンクール「第2回徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」(徳島文学協会、徳島新聞社主催)の1次選考を通過した26作品が決まった。芥川賞作家の吉村萬壱さんらによる最終選考を経て、今月下旬、大賞の阿波しらさぎ文学賞などが発表される。

 内訳は県内11点、県外15点で、作者の最年少は18歳、最年長は71歳だった。阿波踊り、祖谷のかずら橋、眉山、人形浄瑠璃、スダチ、古民家などの要素が盛り込まれていた。

 最終選考は委員長の吉村さんと、徳島新聞社の岡本光雄編集局長、徳島文学協会の佐々木義登会長(四国大教授)の3人が行う。

 阿波しらさぎ文学賞は徳島の地域活性化や書き手の発掘を目的に昨年創設。2回目の今年は1月から6月まで全国公募された。全国39都道府県から426点の応募があり、徳島文学協会によって1次選考が行われた。

 阿波しらさぎ文学賞には賞金30万円、徳島県内在住者および出身者から選ぶ徳島新聞賞には10万円、25歳以下を対象にした徳島文学協会賞には3万円が贈られる。受賞3作品は徳島新聞紙上と徳島新聞電子版に全文が掲載される。来春、発行される徳島文学協会の文芸誌「徳島文學」にも転載される予定。

<1次選考を通過した作品と作者>

 「第2回徳島新聞 阿波しらさぎ文学賞」の1次選考を通過した作品と作者は次の通り。(順不同、敬称略)
 ▽「踊る阿呆」(佐川恭一)大阪府▽「怒濤の海」(笠井智樹)石井町▽「そして吉野川になる」(池神泰三)東京都▽「首なし馬」(深見仁)吉野川市▽「落果」(なかむらあゆみ)徳島市▽「すだち酎」(對馬考哉)青森県▽「水際公園叙景」(黒津正博)徳島市▽「とくし漫才」(蒼井坂じゅーり)大阪府▽「泥で建てた家」(長崎朝)東京都▽「祖谷の空にその名を叫びに」(大森茂幸)神奈川県▽「空虚の眼の中で」(眠たい蛙)京都府▽「ダサい国」(北原由登)徳島市▽「胸をつらぬく」(桐本千春)徳島市▽「スダチザル」(宮内鉄家)三好市▽「そんな夜には」(清水麻美)大阪府▽「お弓」(赤松利市)東京都▽「いらっしゃいマンション」(宮月中)徳島市▽「死後の回想」(大城益夫)那賀町▽「天使の死体」(鎌田航也)鳴門市▽「朝霧」(入倉直幹)東京都▽「渦」(大崎新)鳥取県▽「祖父と僕と、僕らのたった六千字」(細川莉緒)東みよし町▽「とおりのながめ」(石田宗之)長崎県▽「渦と皮膚」(野木希)東京都▽「かちどき橋の女」(馬場広大)鹿児島県▽「姉というもの」(ひろし)大阪府

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