徳島市で開催されている京都アニメーションの原画展

 放火殺人事件の被害に遭ったアニメ制作会社「京都アニメーション」の原画展が、徳島市万代町の小山助学館本店で開かれている。県内外から訪れる人が後を絶たず、置かれたノートには京都アニメーションへのメッセージがぎっしりと書かれている。

展示会場に置かれ、多くのメッセージが寄せられているノート

 原画展は事件前から計画されていた。開幕の直前に事件が発生したが、予定通り開き、人気作品「Free!-Dive to the Future-」など3作品の原画70枚が並んでいる。

 メッセージが書かれたノートを見させてもらった。2冊にわたり、その数は300人以上。住所は記載のある分だけでも全国各地に及ぶ。地元の徳島はもちろん、高知、香川、愛媛は多い。大阪や兵庫、岡山、広島も目立つ。そのほかも、奈良、山口、愛知、東京、神奈川、埼玉、茨城があった。最も遠いところは岩手だった。もちろん、全ての人がメッセージを書いているわけでなく、どこからどれだけの人が来たかは分からない。

 「京アニさんの作品が大好きです」「夢と感動をありがとうこざいます」などの言葉が並ぶ。自分の人生と照らし合わせて、いかに作品が生き方に大きな影響を与えたかを記している人も少なくない。そして「再びすばらしい作品が生み出されることを願っています」「私は待ち続けます」などと復活への思いがつづられている。一つ一つ読んでいくと、涙がこみ上げてくる。京アニの存在の大きさと、事件の理不尽さが、改めて心に染みる。

 原画を見て、改めて何かを感じる人も多いようだ。感想も記されており、その中には「魂」の文字が目立つ。一枚一枚から伝わる思いに、魂を感じるのだろう。高知市から訪れた女性に尋ねると、「徳島で原画展があるのを知って来ました。すごく繊細で感動しました」と話した。

 12日からは徳島市の阿波踊りが始まる。大勢の観光客が見込まれ、街は熱狂の渦に包まれる。お盆休みでもあり、原画展にもさらに多くの人が県外から訪れるとみられる。小山助学館がある周辺は、市中心部から少し離れただけだが、静かで穏やかな雰囲気が漂う。魂の原画に、心を寄せる人たち。その場所が徳島にあることを大切にしたい。原画展は8月31日まで。(卓)