お気に入りの歌手のコンサートを鑑賞するため年に1、2回、東京を訪れているのですが、いつも悩ましいのが帰りの交通手段です。コンサートが終わる午後8時半~9時頃では飛行機には間に合いませんし、新幹線は最終便ギリギリな上に、大阪や神戸まで帰り着いても徳島までの高速バスは運行を終了しています。結局は高速バス一択になるという地方在住者は多いのではないでしょうか。料金もお手頃ですしね。

 ただ、高速バスも午後9時半~10時前後の出発便が多く、決して時間に余裕があるわけではありません。10時前にようやくコンサート会場から新宿駅に到着して、乗り遅れないように必死で走る自分の目の前を、同じツアーTシャツを着たさまざまな府県から来たとおぼしき人たちが走っているという光景は珍しくなく、さながら都市対抗駅伝の様相です。無事にバスのシートというゴールに滑り込むまでは、楽しかったコンサートの余韻に浸る余裕もありません。

 大規模なコンサートで混雑緩和のために観客をブロック別に退場させる規制退場が行われると、1時間近くロスすることもあるので、フィナーレを見ずに泣く泣く席を立った、あるいは係員を拝み倒して何とか先に退場させてもらったという人もいるでしょう。せっかく東京まで遠征しても、ゆっくりと晩ごはんを食べる余裕もなく、コンビニやファストフードで購入できればマシな方で、最悪の場合、水も食事も抜きという悲劇にもみまわれかねません。

 

 高速バスの出発時間がもう少し遅ければこうした問題は解決できるように思うのですが、ダイヤの変更は難しいものなのでしょうか。新宿発が午後10時15分と、徳島行きの中では最も遅いため記者がよく利用させていただいている海部観光に聞いてみました。それによると、現在のダイヤは東京から出張するサラリーマンが徳島に着いてから余裕を持って仕事を始められるようにすることなどを想定して組まれているということでした。

 ダイヤの変更自体は難しいことではないそうですが、記者も利用しているバスタ新宿には1日に1000台以上のバスが発着していて細かな運行調整が必要なため、一度決めたダイヤは1年間は変更できないそうです。海部観光の大阪便に対しては、コンサートの終了後に乗れるように最終便の出発時刻を遅くしてほしいという要望が複数寄せられていて、変更できるかどうか検討しているそうですが、東京便についてはこれまでにそうした要望はないそうです。

 徳島への到着時間を考えれば、大幅に遅らせることは難しいと思われますが、利用者の声が高まれば今より少しだけ遅くすることはできるかもしれません。ちなみに、海部観光は1社だけで運行していますが、複数の会社で共同運行しているような社の路線の場合は、会社間の調整もあってダイヤを変更するのはもう少し手間がかかる作業になるのではないか、とのことでした。いずれにしても、運行会社に要望を伝えることは大事なことかもしれませんね。

 要望といえば先日、別の会社の高速バスで東京のコンサートに行った際、乗った直後に前の乗客にシートをフルで倒され、小さく前へ倣えもできない狭いスペースで2時間近く過ごしたことがありました。その後の消灯時にもシートを倒すように促すアナウンスがなかったので、なかなか倒せませんでした。前後の乗客に気軽に声をかけられない小心者の記者は「消灯まではシートを倒さない」「消灯時には一斉にシートを倒す」ことをアナウンスしてほしいです。

 少し脱線しましたが、高速バスの運行時間を変えるのには時間がかかるかもしれませんが、そもそもコンサート自体の開始時間を早めてくれれば全てが解決するのではないでしょうか。平日ならともかく、土日・祝日の開始時間はもう少し早められないのでしょうか? 地方出身のアーティストも多いと思うのですが、デビュー前に東京へ大好きな歌手のコンサートを見に行って、帰りに新宿駅を半泣きで猛ダッシュしたことはないのでしょうか…。(R)