4月1日の都市ガスの小売り全面自由化まで1カ月を切った。家庭は購入先を選べるようになり、料金値下げも期待されるが、四国内では新規参入業者はゼロ。徳島県内で都市ガスを供給している四国ガス(愛媛県今治市)では当面値下げの予定はなく、元々料金の安い都市部との価格差が広がる可能性がある。

 全国で新規参入を予定しているのは、1日時点で大手電力やLPガス会社など23社。関西電力は、電気とのセット割引で大阪ガスの現行料金から最大約8%安くするプランを用意するなど都市部では競争が激化している。

 ただ、ガス管を通して供給する都市ガスはエリアが限られ、原料の大半を占める液化天然ガス(LNG)の調達先の確保が難しい。新規参入は多様な業種が目立った電力自由化に比べると低調。地方ではその傾向が顕著だ。

 一部大手電力が参入を打ち出す中、四国電力は参入見送りを決めている。ガス管が広く張り巡らされていないことが理由だ。

 徳島県内で都市ガスを利用できるのは、徳島市の中心から東は東沖洲、西は蔵本町、南は八万町、北は川内町の一部まで。1月20日現在の契約件数は4万2千件で、このうち店舗や工場を除いた家庭は3万8700件。

 ほかにも四国で参入予定の業者はなく、懸念されるのが四国と大都市の料金格差の拡大だ。3月時点で四国ガスの一般料金は月使用量22立方メートルの場合で6179円と、東京ガスの3536円や大阪ガスの4038円と比べて高い。

 四国ガスによると、事業規模が小さいためLNGを海外から直接仕入れられず、大手ガス会社などから購入しているのが理由。人口密集地が少ないためサービスの効率が悪いという事情もある。

 同社は昨年8月、自由化対策としてガス暖房機器を持っている家庭の冬季料金を10%割り引くサービスを導入した。今のところ新たな値下げなどの予定はないが、新谷竜司リビング営業部課長は「LPガスや電気とは競争している。他のエネルギーに移られないよう努力したい」と話している。