三嶺と湧き上がる雲。光が射し込み水墨画のような光景を作り出す=三好市東祖谷山菅生

 11日の「山の日」を前に、三嶺(1894メートル)へ登る計画を立てた。寝ずに未明から現地に向かおうと考えていたものの、意気込みがたたって昼すぎまで寝てしまい、頭を抱えた。

 日帰り登山は朝早くから行動し、太陽のあるうちに下山するのが鉄則。特に夏山は午後から天候が急変しやすく、断念せざるを得なかった。

 それでも三嶺のそばまで行こうと国道438号を西へ向かった。剣山登山で混雑する見ノ越を通り過ぎ、国道439号に入って東祖谷山方面へ。

 見事な青空が広がる中、鮮やかな緑に染まる剣山やジロウギュウの姿が見えた。典型的な夏山の景色。時折路肩に車を止め、周囲を眺めながら進んだ。

 三嶺への登山口は、祖谷川の最上流部にある名頃集落である。名頃ダムまで行くと山容が間近に見えるが、山名の由来である三つの頂は集落辺りから見ることができない。

 急に日差しが途切れ、三嶺の向こう側から雲が湧き上がってきた。もくもくとした雲の切れ間から光の筋が延びている。すでに夕刻で、雲の高い部分がうっすら赤く染まっている。

 山肌は藍色のシルエットとなり、まるで水墨画のよう。登ることはかなわなかったものの、山の神様が美しい光景を見せてくれた。