徳島科学技術高校(徳島市)の2017年度の卒業生のうち、国公立大入試の合格者が34人に達し、開校した09年度以降で初めて30人を超えた。全員がアドミッション・オフィス(AO)入試や推薦入試での合格。就職だけではなく、大学進学にも強い工業高校を目指し「国公立大合格者数全国トップ」を目標に掲げた手厚い進路指導が成果を上げた。

 科技高の国公立大合格者は、徳島工業、徳島東工業、水産の3高校が統合した09年度と10年度は6人だった。統合後に入学した生徒が最初に受験した11年度は、24人に急増。その後は15~22人で推移していた。17年度は最も多い徳島大が6人、次いで静岡大4人など、16大学に合格を決めた。

 科技高は全6類のうち、総合科学類を進学重視のカリキュラムとし、数学や英語などの普通科科目が3年間で68単位と、他の5類より最大で18単位多い。電気、コンピューターといった工業科科目では実験を重視して、科学への関心を育んでいる。

 教員が進学を希望する生徒らの関心分野を見極め、資格取得や課題研究、校外の講演会参加といった課外活動を奨励。これらの実績と学力を生かし、学習意欲などを評価するAO入試や、推薦入試での合格実績を重ねてきた。

 全国工業高等学校長協会が16年度の国公立大合格者数を調査したところ、科技高は17人(文系大進学の2人除く)で、全国の工業高校約600校の中で4位だった。1位は静岡県立科学技術高の31人で、17年度の徳島科技高は既にそれを上回った。

 合格者増加について伊勢和彦校長は「充実した教育体制と進学実績をPRしたことで、進学を意識した入学者が増えたことが大きい。今後はより難関大の合格者を出せるよう、優秀な生徒確保に向けたPRと指導内容の強化に努める」と話している。

 科技高の16年度卒業生301人の進路は、進学104人(国公立大19人、私立大46人、短大4人、専門学校28人、各種学校7人)、就職194人、その他3人となっている。