東京都渋谷区にある徳島県の情報発信・交流拠点「ターンテーブル」が開業して1カ月が過ぎた。宿泊稼働率は4日時点(29日間)で約48%、レストランの利用者数は約450人だった。運営会社は、口コミや会員制交流サイト(SNS)で徐々に認知されつつあるとみている。
県や運営会社のDIY工務店社長でプロジェクト責任者の渡辺トオル氏によると、宿泊者とレストラン利用者以外にもカフェやマルシェに約2千人が訪れ、このうち約1300人が県産の野菜、加工品などを購入した。
2~5階に宿泊施設として2段ベッドなどを並べたドミトリー形式(56床)とシングルの個室(8部屋)があり、延べ886床が埋まった。
予約制のコース料理(7千円)を中心に、県産食材を使った料理を提供しているレストラン(日曜定休)は20席以上の広さがあり、水曜から土曜はほぼ満席という。ブリや阿波牛、阿波とん豚(とん)、レンコンなどの料理が振る舞われ、近隣の住民や飲食店主、多くのツイッターのフォロワー数を持ち発信力のある「インフルエンサー」らの利用が増えているとする。
テーブルは県産杉、照明器具の傘部分の色はスダチの緑と藍色といったように細部にまで徳島を意識した造りにしているが、店内には「徳島」の文字を書いていない。渡辺氏は「県産食材が詰まった皿を舌で味わうことで徳島を知り、さらに興味を持ってもらう仕掛け」と戦略を語る。
最初の1カ月は客層の把握やスタッフの連携を図る期間と位置付け、集客のためのイベントは行わず、積極的な広報活動もしていないという。渡辺氏は「今後は隣接する公園で地元住民と一緒にイベントを開いたり、プロモーションビデオを作って情報発信するなど、次の段階に進んでいきたい」と話している。