桜の木にちょうちんを取り付ける生名ロマンの会の会員ら=勝浦町生名

桜の木にちょうちんを取り付ける生名ロマンの会の会員ら=勝浦町生名

 毎年恒例の「勝浦さくら祭り」(生名ロマンの会主催)が、25日から4月8日まで勝浦町生名の生名川沿いで開かれる。15年目を迎える今年は、台湾から豪華クルーズ船の観光客約2000人が花見に訪れることが決まっており、町を挙げて歓迎ムードが高まっている。

 台湾から訪れるのは、4月4日に徳島小松島港に寄港する「マジェスティック・プリンセス」の乗客。台湾や日本の旅行会社がツアーを企画し、日本各地を巡っている。

 町はロマンの会などの住民団体と昨年10月に協議会を設け、中国語や英語での観光パンフレットを作成したり、通訳を用意したりするなど準備を進めている。当日は会場で、桜や祭りの説明をするなどしてもてなし、地元の勝浦中学校や小松島西高校勝浦校の生徒らもボランティアとして協力する。

 無料の無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」のスポットも設け、貸し出した和服を着て桜の前で記念撮影してもらうなど、会員制交流サイト(SNS)で町の魅力発信にもつなげたい考えだ。乗客は、近くで開かれている「ビッグひな祭り」も訪れる。

 「ロマン街道」と呼ばれる生名川沿いの約1キロ区間は、ソメイヨシノや八重桜約400本のほか、菜の花で彩られる。祭り期間中は屋形船やトロッコ列車も運行され、桜のアーチを楽しめる。午後6~10時には街道沿いがライトアップされ、幻想的な景色になる。

 生名川の桜は増水で危険だった川が改修されたのを記念し、40年ほど前に地元の老人会が植えた。地域を元気にしようと、2004年から生名ロマンの会が祭りを催している。

 戸川幹雄会長(70)は「先人が残した宝を大切に頑張ってきた。再び訪れてもらえるよう精いっぱいおもてなししたい」と力を込めた。