小型無人機ドローン活用で県版地方創生特区に認定されている那賀町で11日、測量機器と誘導ソフトウエアを活用したドローンによる橋点検の実証実験があった。同ソフトウエアなどを用いた実験は全国で初めて。
主催した空撮事業を行う映像制作会社D―PLAN(徳島市)によると、ドローンは通常、衛星利用測位システム(GPS)で位置情報を受信して地上からのリモートコントロールで操作するが、ドローンが橋桁の下などにいるときはGPSの情報が受信できない。
一方、測量機器と誘導ソフトウエアによるドローン操縦は、測量機器がドローンにレーザーを照射し、返ってくる速度で位置情報を把握。目標点までの必要な移動距離や方向をソフトウエアが算出し、信号を送るため、橋桁に妨害されない。
この日はD―PLAN、ソフトウエアを開発した「ジツタ」(松山市)、町の職員ら16人が参加。同町延野の下雄(しもおんどり)大橋付近の河川敷からドローンを飛ばし、橋桁の下を移動して元の河川敷に着陸するまでの手順を確認した。
この他、水中ドローンや、水面を移動してから飛び立つ防水ドローンで橋脚を撮影する実験も行った。
D―PLANの河野和宏社長は「橋の検査は近接目視で行っているが、徳島は橋が多く業界は人手不足。ドローン撮影で負担が軽減できるようになれば」と話した。