波のエネルギーを利用して電気を起こす波力発電の開発に取り組んでいる阿南市は15日、波の上下動で歯車を動かす「岸壁設置型」の試作機による実証実験を離島・伊島で始めた。海に浮かべて波の流れを利用する「潮流型」に続いて2基目。3月末まで両型のデータを収集して比較し、実用化の課題を探る。
新たな試作機は、全長約4メートル、幅約60センチ、奥行き約70センチ、重さ約70キロ。海に浮かべたフロートを波の力で上下動させ、歯車の回転を通じて発電させる。発電能力は約40ワット。
この日は市や市の委託で試作機を開発した阿南高専(同市)、市内の建設会社の関係者計12人が1基を漁港内の岸壁に設置。海面の上下動が20センチほどと穏やかだったものの、歯車とつながった発電機が動いていることを確認できた。
阿南高専の宇野浩特命教授(熱工学)は「発電機がきちんと回っていたので良かった。今後は課題を調整しながら実験を進めたい」と話した。
「潮流型」は1月下旬に伊島に設け、実証実験を続けている。