豪華客船の寄港中止でキャンセルされ、空席が目立つ桟敷=市役所前演舞場

 超大型台風10号の接近に伴い、徳島市のホテルで阿波踊り客の宿泊取りやめが相次いでいる。13日には、踊り見物客を乗せた豪華客船が寄港を中止し、乗客が座るはずだった桟敷約千人分がキャンセルになった。ホテルや土産物店の関係者は書き入れ時の荒天を残念がり、観光客は旅程の変更に追われた。

 踊り期間中、予約で満杯だった徳島市のホテルは14、15日のキャンセルが続出した。

 ホテルサンシャイン徳島では、14日に4団体84人、15日は2団体35人が予約を取り消した。担当者は「個人客のキャンセルもあるため、14、15日の稼働率は例年の2割程度だろう」と話す。

 剣山ホテルも14、15両日で3団体80人がキャンセルした。他のホテルも11日ごろから予約の取り消しが続いている。

 阿波踊りは14日の中止が決まり、15日の開催も困難な状況だ。キャンセルはさらに増えるとみられる。

 高波の影響で、徳島小松島港への寄港をやめた「飛鳥II」と「ぱしふぃっくびいなす」のクルーズ船2隻に加え、「ダイヤモンド・プリンセス」と「にっぽん丸」も中止した。13日は、ダイヤモンド・プリンセスの乗客約2800人のうち、約千人が市役所前演舞場で踊り見物を予定していたため、大きな空席が出た。

 土産物関係者には諦めムードが漂う。阿波おどり会館の「あるでよ徳島」は12、13両日の人出が前年を上回っていただけに、運営する県物産協会の新居和憲常務理事は「昨年は踊り運営の混乱で客足が落ち込んだ。今年は上々の滑り出しだったのに残念」と言う。

 スケジュール変更を余儀なくされた県外客も多い。初めて踊り見物に訪れた奈良市の会社員梅田岳志さん(37)は、14日から1泊2日の計画を急きょ11日からの2泊3日に切り替えた。「出勤日の変更や宿泊先の再確保など大変だった。盆休みの台風は困る」と話した。