徳島県は、鳴門市に居着くコウノトリが安全に営巣するための人工巣塔1基を同市大津町に今月中に整備する方針を固め、地元住民らと協議を進めている。13日までにひなが誕生した大麻町のペア以外にも野外繁殖する可能性があり、営巣地の拡大を目指す。
県環境首都課などは、2016年12月末と17年11月にそれぞれ大津町に飛来した雄2羽(いずれも福井県越前市生まれ)の16年12月~18年1月の行動を分析。2羽の背中に付いた衛星利用測位システム(GPS)端末のデータや観察者の目撃情報などから、同町での滞在時間が最も長く、人工巣塔の設置場所に選んだ。
人工巣塔は高さ約12~14メートルのコンクリート製で、設置費約40万円を県が負担する。県とコウノトリ定着推進連絡協議会は、これまでにコウノトリが飛来した鳴門市や松茂、藍住両町を候補地に挙げていた。
大津町にはこれまで最大9羽が飛来し、今年2月初旬までは0、1歳の雄4羽と雌3羽の計7羽が居着いていた。