海岸線を巡る「うみがめマリンクルーズ」。月1回の定期便を始める=2014年1月、美波町の日和佐港沖

海岸線を巡る「うみがめマリンクルーズ」。月1回の定期便を始める=2014年1月、美波町の日和佐港沖

 美波町日和佐地区の海岸線を漁船で巡る遊覧船「うみがめマリンクルーズ」の定期便が18日から月1回運航される。運航を担う日和佐漁業者会(福岡雄二会長)が4人以上の予約があったときだけ運航していたが、定期便は1人からでも乗船が可能になる。減少傾向の乗客数を増やし、観光資源としての魅力を高める考えだ。定期便は毎月第3日曜午前11時から。予約に合わせた随時運航も続ける。

 クルーズは日和佐港を出発し、室戸阿南海岸国定公園の特別保護地区で約2キロの断崖絶壁が続く景勝地・千羽海崖(かいがい)や貫通した洞穴「通り岩」、約31メートルで県内最大の海食洞「恵比須洞」など約13キロのコースを40~50分かけて巡る。

 18日に始まる定期便には町観光協会職員が乗り込み、案内役を務める。大人2千円、小学生以下千円で、3歳以下は無料。

 これまでは、大人4人以上の予約が事前に寄せられた場合に運航。乗客数は、同町を舞台にしたNHK連続テレビ小説「ウェルかめ」の放映で観光客が増加した運航初年度の2009年度は1362人だったものの、16年度は570人に減っている。

 個人やカップルなど少人数の観光客からは乗船を望む声が寄せられていた。このため漁業者会は、クルーズを観光資源としてさらに充実させようと、観光協会と協力して定期便の就航を決めた。

 漁業者会の福岡美智子さん(66)=同町日和佐浦=は「今まで乗れなかった人にも楽しんでもらい、雄大な太平洋の景色を満喫してもらいたい」と話している。

 問い合わせは町観光協会<電0884(77)1875>。