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 15日に徳島県に最接近するとみられる台風10号は、過去に那賀町などで甚大な被害をもたらした台風とコースなどが似ている。通過後も県内には雨が残り、総雨量が1200ミリを超える所がある見通しで、専門家は「大規模災害が起きても不思議でない」と指摘する。

 徳島地方気象台によると、10号はゆっくりとした速度で四国の南方から北上し、徳島の西側で四国を縦断するという。類似ケースは那賀町で2人が犠牲になった2004年の10号と、紀伊半島を中心に記録的豪雨となった11年の12号だ。

 04年の10号は、四国西部を通過した後も県内に発達した雨雲をもたらし、那賀町などで線状降水帯ができた。旧上那賀町海川では午前0時から24時間の日降水量が国内最高の1317ミリ(四国電力の観測)を記録。旧木沢村では山腹崩落で住宅が流され、夫婦2人が行方不明となった。

 12号も長時間にわたって発達した雨雲が発生。奈良や和歌山で72時間雨量が千ミリを超え、土砂災害などで死者が80人以上に上った。増水した川に転落するなどして三好市と阿南市、佐那河内村で3人が亡くなった。

 気象台は今回も線状降水帯が形成される恐れがあるとみる。徳島大環境防災研究センター長の中野晋教授(地域防災学)は「総雨量が千ミリを超えれば山腹崩壊の危険性が高まる。命を守る行動を取ってほしい」と話している。