高齢者が最期まで自宅や地域で暮らせるような在宅医療・介護の推進に向け、徳島県内の専門家や関係者らが連携する「県地域包括ケアシステム学会」が5日、設立された。地域の医療・介護に関する課題を多職種の専門家が共有し、それぞれの強みや成功例を生かして解決を図っていくのが狙い。同様の学会は岡山県に続き全国で2例目となる。
徳島市の徳島大学病院で設立総会があり、関係者約70人が出席した。発起人には医師や保健師、社会福祉士、行政担当者らが名を連ね、代表の永廣信治徳島大学病院長が「研究者だけが集う通常の学会とは違い、さまざまな立場の皆さんが知識や経験を持ち寄り、全国に発信できるような形を作りたい」とあいさつした。
代表幹事の徳島大大学院医歯薬学研究部の白山靖彦教授が、学会の趣旨として▽自治体と協力して学術的な成果と実際の事業を連携させる▽地域間の連携を密にして成功例を共有する-ことなどを説明した。続いて理事会が開かれ、永廣病院長を学会の理事長に選出した。8月27日には徳島大学病院で初めての学術大会を開く。
包括ケアに興味や関わりがある人であれば誰でも入会でき、1日時点で194人の会員が登録している。会員登録はホームページ<http://www.toccs.jp>からできる。