大型の台風10号は15日午後3時ごろ、広島県呉市付近に上陸した後、暴風域がなくなり風雨は峠を越えた。今後は高潮にも警戒が必要だ。徳島県内では満潮を迎える15日夕方から16日未明にかけて被害が発生する恐れがある。徳島地方気象台は県内沿岸部全域に高潮注意報を出し、低い土地の浸水などに注意を呼び掛けている。

 高潮は強風で海水が海岸に吹き寄せられて海面が上昇する「吹き寄せ効果」と、台風が近づくことで気圧が下がり、海面が持ち上げられる「吸い上げ効果」で発生する。

 台風に吹き込む風は反時計回りで、通常は進行方向に対して右側で強くなる。そのため四国の太平洋側や中国の瀬戸内側など南に開けた港の場合、台風が西側を北上すると南風が吹き付けて吹き寄せ効果が発生しやすい。吹き寄せ効果による潮位の上昇は風速の2乗に比例する。風速が2倍になれば海面上昇は4倍。海岸に近づくのは極めて危険だ。

 また外洋では気圧が1ヘクトパスカル下がると吸い上げ効果で海面が約1センチ上昇する。仮に千ヘクトパスカルだった地域に中心気圧が950ヘクトパスカルの台風が来た場合、台風の中心付近で海面は約50センチ高くなり、周囲の海面も気圧に応じて高くなる。

 19日にかけては大潮で、満潮時に台風の接近に伴う高潮が重なると被害が起こる可能性も高くなる。15日の県内の満潮は小松島市で午後6時51分、美波町由岐で午後6時36分。