8回126球を投げた鳴門のエース西野=甲子園

 徳島大会5試合と甲子園1回戦を1人で投げ抜いた疲れは隠せなかった。鳴門のエース西野は一回の初球を痛打されると、わずか19球で本塁打を含む6安打を浴び、4失点。試合の流れを決める大きなイニングとなった。

 「球が浮いてコントロールし切れなかった」。相手の先頭打者に甘く入った初球を二塁打にされた。次打者がバント安打で出塁し、3番の併殺の間に先制点を奪われた。この間わずか5球。「すぐに立て直すことができなかった」と4番に本塁打を許し、さらに3連打を浴びた。

 二回以降に立ち直りつつあったが、ピンチで抜群の制球力を見せた本来の投球はできなかった。四回に四球から2点を失い、六、七回にも失点。森脇監督から「九回は竹内でいく」と八回の打席で代打を告げられ、初めてベンチに下がった。

 徳島大会からの球数は963球に達していた。九回は入学時からエースの座を巡り切磋琢磨(せっさたくま)してきた竹内に後を託し、「自分より球が速い」と安心して見ていた。

 2年連続で立った甲子園でのマウンドを振り返り「前回は悔しい思いをし、今年は成長と課題が見えた。いい経験ができた」。涙は見せず甲子園に別れを告げた。