なんだろう、この悶々とした気持ち。徳島市の阿波踊りの後半2日間が中止となり、不完全燃焼である。清少納言は台風の翌日が<いみじうあはれにをかしけれ>、つまり「たいそうしみじみと趣深い」と枕草子に書いたが、とても共感できそうにない

 2日間の中止は1996年以来というが、当時はそんなに悔しがった記憶がない。記事ファイルを繰って得心した。23年前に中止になったのは中日の13、14日。踊る阿呆も見る阿呆も、最終日に鬱憤を晴らすことができたのだ

 今回はそれがかなわなかった。とりわけ、厳しい練習を重ねてきた踊り子たちの落胆はいかばかりか。台風が恨めしい。96年の2日間中止も21年ぶりだった。周期性があるのだとしたら徳島人の総意でごめん被る

 運営を巡る騒動を経て、名実とも新時代の阿波踊りだった。新体制に対する期待が大きいだけに、半分の時間しか体験できなかったのは残念でならない

 過去の2日間中止は運営の見直しを迫った。44年前は8月15~18日の開催だったが、悪天の確率が低い現在の日程をデータで割り出し、固定化した。23年前には、翌年から雨天時に屋内施設で特別公演を催すことを決めている

 今回の中止も、新しいアイデアを生むきっかけとなろう。<いみじうあはれにをかしけれ>、そんな阿波踊りを味わいたい。