すっかり春めいてきて、サッカー観戦にぴったりの季節ですね!(まだ1試合しか見てないけど…) 晴れた日のスタジアムは、芝と空の青さがきれいです。

が、気になるのが日差し。ヴォルティスの練習取材から戻った同僚記者も「取材でうっかり日焼けして唇がひりひりする」とつぶやいています。屋外が気持ちのいい時期だからこそ紫外線対策をしっかりとしておきたい。気をつけたい日焼け防止ポイントを取材してきました。女性だけじゃなく、男性にも日焼け対策が必要ですよ~。

芝の緑と青空が美しい鳴門ポカリスエットスタジアム

教えてくれたのは、西新町二丁目クリニック(徳島市)の副院長で、皮膚科専門医の斎藤美菜子先生です。

◆紫外線って、いつ気をつければいいですか?

紫外線は1年中降り注いでいるので、1年をとおして気をつけてほしいですね。特に4~5月のゴールデンウィーク前後は湿気が少なくて紫外線が届きやすく、季候がよくて皆さん活動的になるので、うっかり日焼けが多い時期。しっかり対策をとってほしいです。時間帯ではお昼すぎ(12:00~14:00ごろ)がいちばん強いです。

◆サッカーの試合が行われる時間帯と重なりますね。晴れた日は気をつけなければ。

忘れがちなんですが、曇りでも晴れた日の50~60%、雨でも30%ほどは紫外線が降り注いでいます。「お天気が悪いから大丈夫」ではなく、どんなお天気の日でも対策が必要です。水面は20%の照り返し、雪だと90%の照り返しがあります。アスファルト等の路面も水面や雪ほどではないですが照り返しによる日焼けに注意してください。

日焼け対策を教えてくれた皮膚科専門医の斎藤美菜子先生

◆具体的な日焼け対策を教えてください!

注意すべき紫外線には2種類あります。

*UVA=長い波長で肌の深い層までダメージを与え、しみやしわ、たるみなど肌の老化原因となる。

*UVB=短い波長で肌の表面にやけどのようなトラブルを起こす。

日焼けを繰り返すと肌によくないだけではなく、免疫力も下がるので、しっかり防ぐことが大切です。

日焼け止め剤を見ると、UVAを防ぐPA(+の数が増えるほど防止効果が高い)とUVBを防ぐSPF(数値が大きくなるほど効果が高く、50+が最高値)という表示があります。日常生活ではSPF20~30で十分ですが、スポーツ観戦など長時間屋外で過ごすときには、SPF50~50+、PA++++を選んでください。

◆日焼け止め剤はいろいろな種類があります。選び方は?

日焼け止め剤には、紫外線を防ぐ方法の違いで二つに分けられます。

*紫外線吸収剤=白残りしにくく、現在主流になっています。紫外線が当たると分解されやすいので、効果を維持するにはこまめに塗り直しが必要です。肌への刺激が強めです。

*紫外線散乱剤=「ノンケミカル」「吸収剤フリー」と表記されることも。白残りしやすいですが、肌への負担が少なめなので、かぶれやすい人におすすめです。

日焼け止め剤の効果は値段よりも数値に注目してください。同じ数値のものは紫外線防止効果が同じ。自分が期待する効果が得られる数値のものの中から、自分の肌に合うものを見つけて継続して使ってください。

◆日焼け止め剤を塗るポイントを教えてください。

適量を守ることと、2~3時間ごとにこまめに塗り直しをすることです。

適量は、日焼け止め剤のパッケージに表示されていますが、顔に塗る場合、乳液タイプなら1円玉2枚分くらい、クリームタイプなら人さし指と中指にそれぞれの長さ分絞り出したくらい(指2本分)です。塗りすぎ?と思うくらいしっかり塗ってください。量が足りないと効果が不十分になります。

塗り忘れしやすい部分にも気をつけて。首や首の後ろ、耳、腕の内側、手の甲、ふくらはぎ、足の甲が忘れやすいポイントです。また、鼻や頬など高い部分は日焼けしやすいので、重ねて塗ってください。

晴れた日はサッカー観戦にぴったり。でも日焼け対策はしっかりと

◆女性の場合、メイク用品にUVカット効果があるものもあります。

化粧下地やファンデーションなどにUVカット効果があるものもありますね。ぜひ活用してください。それにプラスして、メイクの仕上げにパウダーを使うと紫外線を防ぐ効果がより高まります。リキッドファンデーションやBBクリームを使っている人はぜひパウダーを使って。

◆ほかにも日焼けに気をつけたい部分はありますか?

唇も日焼けして、水ぶくれのようになる人やしみができる人もいます。UVカットのリップクリームを塗ってください。かぶれないのであれば、日焼け止め剤を唇に塗ってもOKです。頭皮も対策を忘れがち。最近は顔や髪などに使えるスプレータイプのUVカット剤があります。帽子をかぶるのもいいですね。

◆衣類にもUVカット対応のものが増えています。

着る物もUVカットのものを選ぶと日焼け防止効果は高まりますね。UVカットの衣類には、UVカットの素材(糸など)を使った布で作っているものと、仕上げにUVカット加工を施しているものがあります。UVカット素材を使ったもの(UPF値という表示がある)のほうが洗濯をしても効果が持続しやすいのでおすすめです。スポーツ用品店にはこうしたUVカット衣類がたくさんありますよ。

◆もし日焼けをしてしまったら、どうしたらいいですか?

冷やすことと保湿を心掛けてください。やけどの処置と同じようなイメージです。保湿というとローションタイプを選ぶ人が多いのですが、ローションでは刺激になりやすいので、クリームタイプの保湿剤を選んでください。

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一時的に肌が赤くなったり黒くなったりするだけではなく、ちょこちょこした日焼けの積み重ねがしわやたるみなど老化の原因になるなんて。しっかり日焼け対策をして、思う存分サッカー観戦を楽しみたいものです。