いつまで主導権争いを続けるつもりなのか。

 立憲民主党が、国民民主党と衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」に、立民の衆院会派に合流するよう提案した。これに対し、国民民主は参院も含めた対等な立場での統一会派結成を逆提案した。

 立民と国民は旧民進党から分裂し、どちらにも加わらなかった野田佳彦前首相ら無所属議員で構成するのが国民会議である。3党派とも統一会派には前向きだが、15日に行われた立民の枝野幸男、国民の玉木雄一郎両代表の会談は平行線に終わった。

 「安倍一強」と対峙する理念と政策を打ち出すべき時に、入り口でいがみ合っていては失望を招くだけである。

 「永田町の数合わせにはくみしない」姿勢を貫いてきた枝野氏が、会派合流へ方針転換したのは、先の参院選で党勢に陰りが見えたからにほかならない。改選9議席から17議席にほぼ倍増したとはいえ、比例の得票は、れいわ新選組に支持層を奪われたこともあって一昨年の衆院選から300万票以上減らした。

 確かに、立民の「独自路線」は存在感を高めたが、国会や選挙での野党共闘で障害になったのは否定できない。

 衆院での会派合流について、枝野氏は「秋の臨時国会に向け、主戦場である衆院でより大きな構えをつくって論戦力を高めたい」と言う。衆院で3党派が合流すれば117人となる。300人を超す巨大与党に対抗するには力不足だが、一定の緊張感をもたらす効果はある。

 ただ本当の狙いは、次期衆院選に向け、小選挙区の候補者調整など野党連携の主導権を渡さないためだとみられている。

 枝野氏の合流要請は、国民にとって「上から目線」にも感じるだろう。逆提案した背景には、立民への反発があるのは間違いない。

 立民と国民は「コップの中の争い」を続けてきた。先の通常国会では立民が野党第1党として与党との駆け引きを主導したが、「対案路線」を掲げる国民と足並みの乱れが目立った。参院選では国民の現職がいる静岡選挙区に、立民が新人候補を立て激しく争った。

 こうした両党間のあつれきをまず解消しなければ、統一会派実現はおぼつかない。

 政策の隔たりをどう埋めるかも課題だ。

 枝野氏は合流の条件に、立民の憲法観や原発ゼロ法案への理解を求めるが、国民はそのまま受け入れそうにない。原発政策などで立民と開きのある組織出身の議員を抱えているためだ。

 国民会議は消費税増税を重視する一方、立民は参院選で増税凍結を掲げており、スタンスが異なる。

 立民、国民など野党は、巨大与党との対立軸を示せないでいる。立場の違いを乗り越え、政権交代の受け皿をつくらなければ、支持はますます離れていく。