10代の若者が自ら命を絶つ、つらい事態が絶えない。

 自殺対策白書によると、2018年の自殺者総数は前年より481人少ない2万840人(徳島県89人)で、9年連続の減少となった。

 ところが19歳以下に限ると、前年比32人増の599人(同2人)となった。人口10万人当たりの自殺者数を示す10~19歳の自殺死亡率は、統計を取り始めた1978年以降で最悪である。

 誰もが自殺に追い込まれることのない社会を実現することが、私たちの願いである。とりわけ、若年層の自殺対策は喫緊に取り組むべき課題といえよう。

 10代の自殺をなくすにはどうしたらいいのか。

 残された遺書などから分析した原因・動機を見ると、学業不振や進路、入試など学校問題が188人と最も多い。さらに、健康問題119人、親子関係の不和や家族からのしつけ・叱責などの家庭問題が116人と続く。

 もとより、小学生では家庭問題が原因・動機となりがちだ。中学生以上になると学校問題の割合が高まり、高校生では、うつ病も見受けられるようになる。

 成長する過程では誰もが思い悩む。そんな時に心の内を打ち明けられる友人や、信頼できる大人が身近にいるにこしたことはない。

 だが、現実はそうでないことが多い。子どもたちが悩みを一人で抱え込まないよう、気軽に相談できる体制を築くことが抑止の第一歩となる。

 そうした観点から、県教委が中学、高校生を対象に昨年度初めて実施したのが、会員制交流サイト(SNS)を使った相談事業だ。

 8月21日から10月19日までの期間限定ながら、333件(1日平均5・6件)の相談が寄せられた。友人関係やいじめ、恋愛、心身の健康など多岐にわたる。

 相談件数は同期間中の電話相談の約10倍という。匿名性が高いことで、子どもたちが電話や対面よりも悩みを相談しやすいと感じているのは確かなようだ。

 本年度は昨年より期間を延長し、10月末まで開設する予定だ。一層の周知を図ってもらいたい。

 一方、県内の小中高校などでは、助産師や臨床心理士らが両親の思いや人間関係の築き方などを教える「命と心の授業」が行われてきた。しかし、昨年度の実施は40校と少ない。もっと増やすことはできないだろうか。

 悩み事の相談に当たるスクールカウンセラーの配置は、高校では約半数にとどまる。残りの高校には要請があれば派遣で対処しているものの、いつでもどこでも相談できるという状況ではない。

 生徒と最も接している教員も、異変に気付く力やカウンセリング力を磨いてほしい。言うまでもなく、子どもたちから出されるSOSを見逃さないことが尊い命を守ることにつながる。