野球エリートとは程遠い。小松島高校時代、甲子園出場はない。近畿大を2年時に中退して徳島に戻り、とび職をしながら草野球に興じていた。それから6年、徳島市出身の巨人・増田大輝内野手(26)は、おとといの東京ドームでの阪神戦で、勝利の立役者としてお立ち台に上がった

 「パパやりましたー」。阿波市にいる妻の優香さん(26)と子ども2人に向けて声を弾ませた。テレビの前で優香さんは「これまでのことを思うと、うるっときました」

 増田選手の東京での単身生活は4年目になる。「家族のことを心配せず、24時間、野球に打ち込んでほしいので」と優香さん。「クビになってもいいから、思い切ってプレーをしてもらいたい」と会社勤めを続けながら、遠回りの野球人生を支える

 一度、野球への情熱を失った増田選手が徳島インディゴソックスを経て、巨人入りしたのが3年前。育成選手としてだった。翌年、支配下登録され、プロの仲間入りを果たした。1軍の試合に出始めたのは、今シーズンからだ 50メートル5秒9の俊足が持ち味。代走や守備要員での起用が多いが、おとといは右膝をつきながらレフト越えに先制の三塁打を放った。とび職で鍛えた体幹の強さが光る

 回り道をしてきたからこそ、身に付くものもある。エリートたちをうならせるようなプレーを見たい。