徳島移転について記者会見する宮腰光寛消費者行政担当相=19日、徳島県庁

 徳島全面移転を否定 担当相「国会対応困難」

 宮腰光寛消費者行政担当相は19日、徳島県庁で会見し、消費者庁の移転に関して2016年の政府のまち・ひと・しごと創生本部決定を引き合いに「国会対応などは東京で行うと既に決まっている」と述べ、徳島への全面移転を否定した。「徳島に限らず、国会対応は地方では難しい」との見解を示した。

 消費者庁が県庁に開設した消費者行政新未来創造オフィスについて、16年の創生本部決定では「対外調整プロセスが重要な業務(国会対応、危機管理など)は東京で行う」と明記されている。宮腰氏は恒常的な新拠点の検討でもこの考え方に沿ったと強調した。

 飯泉嘉門知事は記者団に「全面移転の可否の2択ではなく、地方創生や東京一極集中の是正にどう資するかを考えるのが大切だ」と話し、これまで一貫して求めてきた全面移転に必ずしもこだわらない考えを示した。一方で、「今後、テレビ会議の技術が発達して国会対応が地方でも可能だとの理解が得られれば、全面移転も進むのではないか」と語った。

 政府は14年、政府機関の移転を進める方針を表明。消費者庁は16年に徳島県で試験業務を実施し、移転の可否を19年ごろに判断するとしていた。消費者庁の見送りにより、全面的な移転が決まった省庁は、21年度までに京都に移る文化庁だけになった。

  80人体制に増員、恒常化

 宮腰光寛消費者行政担当相は19日、徳島県庁での会見で、2020年度に消費者政策の研究や国際的な業務を行う「消費者庁新未来創造戦略本部」を県庁に開設すると発表した。県庁に試験的に設置している「消費者行政新未来創造オフィス」を恒常化し、機能を拡充させて体制は約50人から約80人に増員する。関連予算を20年度予算の概算要求に盛り込む。

 宮腰氏は「東京の本庁と徳島の新拠点を車の両輪として消費者行政を発展させたい」と述べた。

 戦略本部は、オフィスで行っている徳島を実証フィールドとしたモデルプロジェクトを引き続き行うとともに、「国際消費者政策研究センター」を設け、認知症と消費者被害といった消費者政策の中核的な役割を果たす研究や、国際共同研究を担う。

 首都圏での大規模災害発生時のバックアップ機能も持たせ、引き続き消費者庁の働き方改革の拠点とする。統括する職員は参事官級から審議官級に格上げする。

 国民生活センターの研修事業については徳島でのコース数を見直し、全国的に地方開催を拡充。商品テスト部門は職員を常駐させず、必要に応じて県内を実証フィールドとして活用する。

 オフィスは17年7月に開設され、3年後をめどに検証、見直しを行うとした。6月に閣議決定した政府の「まち・ひと・しごと創生基本方針」では、オフィスの機能の充実と規模の拡大を見据え、新たな恒常的拠点を20年度に発足させるとしていた。

 戦略本部の設置について、飯泉嘉門知事は記者団に「大きな一歩だ」と評価した。