阿南市加茂谷地区の活性化に取り組む住民団体「加茂谷元気なまちづくり会」が、スダチを使った焼き菓子を開発した。熟れすぎて商品価値の下がった地区産のスダチを有効活用し、農業の振興につなげるのが目的。9日から地区内の小中学校や幼稚園で試食会を順次開き、好評なら4月以降に地元のイベントなどで販売する。
菓子の名称は「巣立ちのスダチ」。「加茂谷地区から巣立ったスダチ」という意味で名付けた。スティック状のウエハースにスダチパウダーを練り込んだホワイトチョコクリームを挟んでおり、クリームの甘みの中にスダチの爽やかな香りや酸味が感じられる。
加茂谷地区はハウスなどでのスダチ栽培が盛ん。地域から、熟れすぎて商品価値の下がった露地物のスダチを活用したいとの声があり、商品開発に向けて会員が昨年10月、千葉市で開かれた農業見本市を訪問。6次産業化のブースに出展していた菓子メーカー「桃の館」(愛知県)に相談し、共同で開発した。
まちづくり会からスダチの果汁を送り、2回の試作を経て今月完成した。1袋9本入りを約550袋用意しており、9日に加茂谷中学校、13日に吉井小学校、16日には加茂谷幼稚園でそれぞれ、全児童生徒、園児を対象に試食会を開く。
まちづくり会の山下和久会長(61)=同市細野町中上、農業=は「スダチのお菓子を食べてもらい、加茂谷の良さを多くの人に知ってもらいたい」と話した。