2019年4月に徳島県内15JAと関係団体を一つにまとめる統合構想で、JA徳島市とJA大津松茂が不参加を決めたことが7日、分かった。組合員の反対が根強いのが理由。各JAの連携強化やスケールメリットを目的にJAグループ徳島が目指す1JA化が困難な情勢となった。

 JA徳島市は2月24日、同市万代町の本所で理事会を開き、理事と監事計36人が出席。19年4月を目標期日とする統合構想に参加しないことを全会一致で決議した。

 昨年12月に開いた地区座談会では、グループが1JA化に向けて検討を進めていることを組合員に説明。今年1月に統合の基本構想が策定されてからは構想の説明会を開いてきた。組合員から「具体的な中身が分かりにくい」「独自に進めている自己改革を優先すべきだ」といった反対意見が大勢を占め、理事会での決議に至った。

 JA大津松茂は2月14日に鳴門市大津町の本所で理事会を開き、理事19人の全会一致で統合への不参加を決議した。同JAは15年4月に大津、松茂両JAが合併して誕生したばかり。不参加の理由について佐竹弘通組合長は「2JAの合併を実現し、その効果を生かして農業振興に当たっているところで、統合に参加するときではない」と説明する。

 1JA化を主導するJA徳島中央会は2JAの不参加について「対応を検討している」とコメント。引き続き、グループ全体での統合を目指しながら、2JAが不参加の場合でも他のJAと関係団体で統合構想を進めていく方針だ。

 JA徳島市は正組合員と准組合員を合わせた組合員数が1万5822人(15年度末時点)で県内最多。JA大津松茂は組合員数が1979人(同)と小規模ながら、なると金時やレンコンといったブランド品目を持つ。