徳島県上勝町で7月に落雷被害に遭った作業員5人は、木の近くに設置したテント内で休憩中に感電した。徳島地方気象台は、金属部分を電流が流れて感電を避けられる車内などに逃げるよう、注意を呼び掛けている。

山中で落雷、作業員5人搬送 4人が一時意識失う

 気象台によると、木の近くは雷が放電する可能性が高い危険地帯とされる。避難する際は幹から少なくとも4メートル以上離れ、木の先端を見上げた角度が45度になるエリア「保護範囲」で姿勢を低くして待避する必要がある≪図参照≫。避難者一人一人が互いに距離を取り、雷の活動が収まるのをしゃがんだ体勢で待つのが望ましい。

 雷鳴が遠くで聞こえると落雷の危険が迫っており、気象台はその前に注意報を発表する。スマートフォンなどで情報を確認するとともに、落雷の危険性を色分けして示した「雷ナウキャスト」で状況を把握するよう勧めている。

 永冶利章防災気象官は「黒い雲が遠くに確認できれば、早い段階で安全な場所に逃げてほしい」と話す。

 県内は19日から大気の不安定な状態が続き、気象台は雷注意報を発表している。21日も継続する見通し。