[上]上板中3年生に贈られた藍染のコサージュ=同校[下]上板中3年生にコサージュを贈る町消費者協会の会員(左側)ら=上板中学校

[上]上板中3年生に贈られた藍染のコサージュ=同校[下]上板中3年生にコサージュを贈る町消費者協会の会員(左側)ら=上板中学校

 上板町消費者協会と町更生保護女性会の会員約30人は、卒業を控えた上板中学校の3年生124人らに、藍染の布で作ったコサージュを贈った。3月の卒業式で胸に付けてもらい、卒業後も”藍の町“である古里に誇りを持ち続けてほしいとの願いを込めた。東京五輪の公式エンブレムに藍色が採用され、「阿波藍」が注目されていることを受けて発案した。

 コサージュは、濃淡2種類の藍染の布(縦横9センチ)を折り合わせて作った。直径10センチほどの青いバラをイメージした造花を作り、周囲をシルバーのリボンで囲った。10日の卒業式で、卒業生や教員らの胸元を飾ってもらう。

 コサージュ作りは昨年11月にスタート。同町泉谷の技の館で染めた布を使い、町役場隣の町農村環境改善センターに集まり、手作りしてきた。

 2月24日に上板中で贈呈式があり、町消費者協会の新見千津子会長(80)=同町七條=が「皆さんがコサージュを胸に付け、笑顔で卒業式に臨む姿を思い浮かべて作りました」とあいさつ。透明の箱に入ったコサージュを、生徒代表に手渡した。

 3年生を代表して四宮乙見(おとみ)さん(15)が「徳島が誇る阿波藍のコサージュを胸に、卒業できることをうれしく思う。ありがとうございました」と礼を述べた。

 上板町は藍染の染料・すくもの生産量全国一。町消費者協会などは来年度以降もコサージュ贈呈を続ける方針で、活動を通じて藍文化を子どもらに伝えていきたい考えだ。