約20人が参加した職業生活設計に関するセミナー=徳島市出来島本町1のハローワーク徳島

 参院選が終盤に差し掛かっていた7月16日、徳島市のハローワーク徳島で高齢者を対象にした「職業生活設計に関するセミナー」が開かれた。選挙戦では「老後資金2千万円問題」がクローズアップされ、年金制度や安心できる暮らしの在り方が大きな争点になっていた。

 講師を務めた社会保険労務士の玄番芳江さんは2千万円問題に触れ、「生活資金が足りなければ、働くか、有利な運用を考えるか、お金のかからない工夫をするかしかない」と強調。就労に向けて「今は人手不足で求人はある。ただ、自分の思っている仕事があるかどうか。折り合いをつけることが必要」とアドバイスした。

 約20人が真剣な表情で聞き入った。最前列に座っていた女性(65)は、60歳の定年退職後も継続雇用で働き、3年後に辞めた。「もういいかなと思って」。ところが、家にいるのは退屈だった。「このままでは生活のリズムが狂うし、健康にも良くない」と職を探している。

 寿命が延び、人生100年時代と言われる。人生80年時代より老後が長くなり、高齢になっても仕事を求める人が増えている。

 徳島労働局によると、65歳以上の求職者は増加傾向にある。各年4月分でみると、15年がフルタイム330人、パート456人だったのに対し、19年はフルタイム459人、パート871人。体力面を考えて短時間勤務の希望者が多く、パートは倍近くになっている。

 全体ではフルタイムは減少し、パートはわずかな増加にとどまり、65歳以上の伸びが突出している。

 徳島県や県シルバー人材センター連合会などは2016年9月、県生涯現役促進地域連携事業推進協議会を立ち上げた。毎月、県内の全ハローワークで高齢者を対象にした相談総合窓口を開き、就職を支援する。

 7月9日に三好市のハローワーク三好であった相談窓口には6人が訪れた。

 30年以上トラック運転手をしていた男性(64)は「入院したこともあって辞めたが、年金だけでは生活できんしな」と言う。「別の世界も見たかった」と長年勤めた職場を3月に辞めた女性(62)は「自分の生活だけなら何とかなるけど、孫にもいろいろ買ってあげたいから」。

 山間部に住む男性(62)は1人暮らし。「家にいたら気がめいってしまう」と話した。

 協議会に登録した求職者は、7月末時点で810人。このうち327人が就職につながっている。

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 あなたは何歳まで働きますか。111歳まで生きた津川イネの人生をたどった第1部に続き、第2部では高齢者の就労事情を探ります。

メモ 県生涯現役促進地域連携事業推進協議会が各ハローワークで開いている相談窓口の次回開催予定日は、8月27日小松島、9月3日牟岐、10日三好、11日美馬、12日阿南、17日徳島、18日鳴門、19日吉野川。事前予約が必要。問い合わせは同協議会<電088(676)4421>。