自動車業界は今、100年に一度の変革期とされる。年間売上高が30兆円を超すトヨタでさえ、おちおちしていられないらしい

 次世代の車の性能を決定づける「CASE(ケース)」と呼ばれる技術の確立に、各社がしのぎを削っている。米IT大手のグーグルなど、異業種の巨大企業も主導権争いに加わっているから、戦いは激烈だ。日本の主要自動車会社7社の研究開発費は、総計で過去最高の3兆円を超える見通しとなっている

 CASEとは四つの英単語の頭文字。その一、ネットを通じてさまざまなサービスを提供する「接続性」。その二、「自動運転」。これは説明の必要もない。一つ飛ばして、その四、「電動化」。これも明白

 その三は「シェアリング(共有)」。これからの時代、車は個人の持ち物ではなく、使いたいときだけ使えるサービスとなる。使わない間は自動運転の乗り合いタクシーになる、といったことが想定されている

 少々の不自由はあっても、あおり運転などしたくてもできない、安全で便利な車社会の輪郭が、ぼんやり見えてきた。シェアの考え方は車にとどまらず、あらゆる場所に影響を及ぼすに違いない

 人の価値観も、大きく変わっていくことだろう。渦中にいれば意識することもないが、私たちは確実に、未来につながる一日一日を歩いている。