国民は安倍政権に不信感を募らせているようだ。

共同通信社が17、18両日に実施した全国緊急電話世論調査で、安倍内閣の支持率は38・7%と、前回調査から9・4ポイント急落した。不支持率は9・2ポイント増の48・2%で、支持率を逆転した。

森友学園への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざん問題を、国民がいかに重く見ているかが分かる。

改ざんで「安倍晋三首相に責任がある」との回答は66・1%で、「責任はない」の25・8%を大きく上回った。

きのう、参院予算委員会で改ざん問題の集中審議が行われた。安倍首相は支持率の急落について「国民の信頼を揺るがす事態になっている。深刻に受け止める」と述べた。

首相はきちんと説明責任を果たさなければならない。

財務省は決裁文書14件の改ざんを認めて、理財局の一部職員の指示で近畿財務局に書き換えさせたとしてきた。

安倍首相は「そもそも理財局内の決裁文書の存在すらも知らない。指示のしようがない」と強調。国有地売却に自身や昭恵夫人の関与があれば「首相も議員もやめる」と断言した国会答弁が改ざんの原因になったとの見方や、財務省の忖度(そんたく)も否定した。

麻生太郎副総理兼財務相は佐川宣寿前国税庁長官の責任に関して「極めて大きかった。今の段階では(佐川氏の)最終責任になる可能性が大きい」と述べた。一方で「佐川氏にいろんな圧力があったとは全く考えていない」と政治的圧力は否定した。

太田充理財局長も改ざんの判断について、「上からの指示、あるいは相談したということではない」と答弁した。

忖度も圧力もなく、改ざんしたというのだろうか。

もちろん、どんな理由があろうと、文書の改ざんは行政への信頼と公正を損なうものであり、言語道断だ。

しかし、官僚側だけの責任で、犯罪の嫌疑がかかる恐れのある改ざんを行うだろうかとの疑問は消えていない。

誰が、何のために、どんな指揮系統で誰に改ざんを指示したのか。佐川氏を証人喚問して、明らかにすることが欠かせない。

野党は、昭恵氏や夫人付の政府職員だった谷査恵子氏の喚問も求めた。

世論調査によると、昭恵氏の国会招致を65・3%が「必要だ」と答え、「必要ない」は29・0%にとどまった。

政府・与党は、国民の声を真摯(しんし)に受け止めるべきだ。

改ざん問題が政権に与えたダメージは大きい。9月の自民党総裁選で連続3選が有力視されていた安倍首相は、求心力を低下させつつある。

次の総裁に誰がふさわしいかの問いでは、石破茂元幹事長が25・4%でトップ、小泉進次郎筆頭副幹事長が23・7%で続いた。安倍首相は21・7%と3位に後退した。

国民の信頼を取り戻すためには、政治の責任を明確にしなければならない。