ものには釣り合いがある。もし講師の選任が不適当というのなら、まずは保護者が学校に文句を言う、市教委が校長に説明を求める、せいぜいがその程度の話だろう
たとえ講師が何かと注目される前川喜平前事務次官だとしても、文部科学省が直々、乗り出すほどのことか。名古屋の一市立中学であった一度きりの授業の経緯を詳しく調べ、どれほどの益がある
隠された意図があるのでは、と邪推されたり、不当な介入だ、と批判されたりするのが落ちで、実際にその通りの展開となっている。事前、事後とも、保護者や生徒から否定的な反応がないという中、今回の対応には違和感が大ありだ
市教委が公表したメールのやりとりからは、文科省の不快感も透けて見える。「出会い系バー」報道も挙げ、招いた理由を「具体的かつ詳細に」報告するようにと、いかにも問題があったと言わんばかりに求めているけれど、校長の回答はさすがに教育者らしい。「私が感じた前川さんの人となりから判断した」
授業に関し、自民党衆院議員から複数回照会があったそうだ。文科省は影響を否定している。それなら問い合わせた理由を「具体的かつ詳細に」説明する必要がある
道徳教育が行われる学校の場での出来事だ。生徒たちに恥じることのない弁明ができるはず。でなければ、おかしい。
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