香田洋二氏

 韓国政府が、GSOMIAの破棄を日本に通告した。徳島県美馬市出身で海上自衛隊・元自衛艦隊司令官の香田洋二氏(69)=横浜市=に、東アジアの安全保障への影響や今後の日韓関係について聞いた。

 歴史問題から貿易問題に発展して日韓が対立していたが、私も含めた軍事・外交の専門家の見方はほとんどが「安全保障は別だろう」というものだった。それだけに、非常に衝撃的で落胆するものだ。

 韓国としては国益にならない最悪の選択をした。日韓ともに単独では安全保障を全うできない国で、日米韓の三角形でこの地域の安全を保っている。日韓が機能しないとなると米国の安全保障の機能まで下げてしまう。それは中国やロシアといった大国に対する能力の低下につながるもので、米国の失望、怒りは相当に大きいだろう。

 軍事情報の面でみると、日本より韓国の方が、失うものがはるかに大きい。日本は情報収集能力が高く、米国との関係も良好だ。ただ、全く痛くないかというと、そうではない。この地域での米国の影響力が相対的に低下し、米中や米ロの力関係も含め、いろんな影響が出る可能性がある。国際情勢の注視が必要だ。

 日韓関係は今後、冷却期間を置かざるを得ない。GSOMIAをつなぎながらそれを利用して最悪の状態を脱するための協議をするべきだったが、その努力をする余地もなくなった。それは深刻に捉えるべきだ。